既存の分野に収まりきらない、新しい技術と働き方の潮流。量子コンピューティング、小型モジュール炉(SMR)などの次世代エネルギー、宇宙・航空、XR、スマートシティ、長寿テック、そしてシリコンバレー発の組織論や仕事のやり方。
43 件
ナイジェリアを中心に月5,000万人が使う金融アプリOPayが、ニューヨーク証券取引所への上場を取引開始の当日に取りやめた。理由は、国名を明かさないある国の規制当局からの照会だ。ソフトバンクが出資し、評価額は約6,300億円。中国人起業家の周亜輝氏が育てた「アフリカのアリペイ」は、売上の半分を融資で稼ぐ。再上場の成否は、照会の決着と融資の質にかかる。
世界最大の暗号資産取引所バイナンスが、ハッキングで約9,900億円相当の資産に影響が出たと発表した。犯人は秘密鍵を盗まず、出金に署名する社内の仕組みを乗っ取ったとみられる。テザーやサークルの協力で約4,700億円分は凍結したが、ビットコインとイーサは止められない。全額補償を掲げるバイナンスの出金再開と準備金の開示が、次の試金石になる。
2026年上半期のランサムウェア被害は123件と過去最多で、侵入口の半分はVPN装置だった。VPNは、インターネットに面した社内への扉を鍵で守る仕組みで、扉そのものは攻撃者からも見える。ドコモ、KDDI、ソフトバンクは、会社の扉をインターネットから外し、閉じた網の中でクラウドやセキュリティと直結する「NaaS」を競う。網の中の監視を積み増すドコモ、パロアルトと直結して2028年度に自律化を狙うKDDI、網の関所にAIの弱点潰しを重ねるソフトバンクと、戦略は分かれる。閉域網は万能ではなく、10月からは国の新制度も動き出した。
文章や漫画を誰でも売り買いできる投稿サービス「note」が、生成AIの普及を追い風に急成長している。AI検索が引用する情報源として国内上位に入り、今期は前期の4倍を超える営業利益11億円を見込む。Google、韓国NAVER、KADOKAWAが相次いで出資し、NAVERは創業者に次ぐ第2位の株主になった。大幅なダウンラウンド上場から時価総額約800億円に至った軌跡と、課題、今後の焦点を投資家の視点で読み解く。
原子の動きを数秒で再現するPFN・ENEOS発のMatlantisと、条件を与えると新しい結晶の設計図を描くMicrosoftのMatterGen。同じ材料探索AIでも、役割は「確かめる」と「描く」で大きく異なり、それぞれに強みと弱点がある。CuspAIやPeriodic Labsに流れ込む巨額の投資マネーと今後の注目日程まで、投資家の視点で読み解く。
グーグルのAIが、スーパーコンピュータで作る天気予報を精度で上回ってから3年がたった。欧州中期予報センター(ECMWF)はAI予報を正式運用に移し、グーグルは2026年9月、衛星の観測データから直接学ぶ「WeatherNext 3」を公開した。予測モデルが無償で配られる時代に、価値は独自の観測データと、予報を現場の判断に変える工程へ移りつつある。1kmメッシュを掲げるウェザーニューズの強みと課題を、投資家の視点で読み解く。
アストロスケールホールディングス(東証グロース・186A)の2026年4月期は、売上収益が前期比141.8%増の59億4,000万円と2.4倍に伸び、売上総利益が上場後はじめて通期黒字に到達した。一方で営業損失99億7,500万円、フリー・キャッシュ・フローは194億円のマイナスと先行投資の重さは変わらず、2026年6月に転換社債と新株で306億円を調達している。本稿ではデブリ除去サービスの基礎から、競合とサプライチェーン、創業秘話、決算に潜む会計上の仕掛け、投資家視点の強みと課題、2030年までのマイルストーンまでを掘り下げる。
株式会社アイスマイリーが10回目となる「AI博覧会 Summer 2026」を8月26日・27日に新宿住友ビル三角広場で開催する。100社が約200製品を展示し、40講演以上を実施、2日間で1万人の来場を見込む。入場無料(事前登録制)。APTO、ドーナッツロボティクス、住友電工情報システム、BIRD INITIATIVE、kickflowらが出展し、国産LLMからフィジカルAIまでを一堂に集める。世界のAI投資が四半期38兆円規模に達する一方、国内スタートアップの半期調達は3,779億円。その落差が展示構成に表れている。
世界のアディティブ・マニュファクチャリング(AM=3Dプリンター)市場は2025年に242億ドル(約3.9兆円)へ達したが、成長率は前年比10.9%まで鈍化し、Wohlers Reportは「成熟期入り」と評した。米国では2020〜2021年にSPACで上場したDesktop Metalが2025年に連邦破産法を申請し、Nano Dimensionが束ねた資産は投げ売りされるなど、業界は激しい淘汰局面にある。本稿はこの潮流を軸に、金属AMで906億円の減損を計上したニコン、切削と積層を1台に統合するDMG森精機、2024年にMBOで上場廃止となったローランドDG、フルカラー造形でニッチ首位に立
従業員を雇わず、AIを相棒に一人で事業を営む「ソロプレナー」が世界で急増している。米国では2025年の開業申請が567万件と過去最高を更新し、Stripe経由で設立された法人の63%が単独創業になった。中国でも新会社法を追い風に「一人公司(OPC)」が1,600万社を超え、20超の都市が支援策を競う。定義と実例から向き不向き、支援サービス群、シリコンバレーVCの論調、「一人ユニコーン」誕生の時間軸までを総覧する。
日本の民間ロケット開発は2026年に入り、資金調達と挫折が同時に噴き出す転換点を迎えた。インターステラテクノロジズがトヨタ系のウーブン・バイ・トヨタを筆頭に総額201億円のシリーズFを完了して国内未上場の宇宙スタートアップとして最大の調達額に達する一方、スペースワンの「カイロス」3号機は3度目の打ち上げ中断に終わり、有翼機を開発してきたSPACE WALKERは1月に破産した。本稿は、各社のサービスと技術を具体例から噛み砕いたうえで、1社1章で特徴と課題を整理し、シリコンバレーのVCや宇宙専門家、海外メディアが日本勢をどう見ているか、そして2026年から2030年にかけて何が「計測ポイント」に
2026年3月28日、JR東日本が総事業費約6,100億円を投じた「TAKANAWA GATEWAY CITY」がグランドオープンした。街の本質は超高層ビル群ではなく、KDDIの「都市OS」とJR東日本の「鉄道OS」を接続し、Suicaと改札という他のデベロッパーが持ち得ないデータを都市運営に流し込む設計にある。だがリニアの品川開業は2036年以降、南北線延伸は2030年代半ばで、街は完成より10年早く開いた。JR東(9020)、京急(9006)、大林組(1802)、鉄建建設(1815)、西武HD(9024)、東京都競馬(9672)が、それぞれ異なるレバレッジでこの賭けに乗っている。
ランド&エクスパンド(Land & Expand)は、まず小さく安価な契約で顧客企業に「入り込み(Land)」、価値を実証してから同じ顧客の中で席数・機能・部門・製品を広げて売上を「拡大(Expand)」させるSaaSの成長戦略である。その成否を測る通信簿がネット・レベニュー・リテンション(NRR)で、Slackは上場時に143%、Zoomは上場前後に140%前後、Atlassianはクラウドで120%(FY2025)を記録し、営業組織を持たないフライホイールや40分の無料上限といった具体的な仕掛けで既存顧客からの増収を積み上げてきた。日本ではSmartHRが労務管理を入り口にタレントマネジメ
QunaSys(キュナシス)は、量子コンピュータの「ソフトウェアとアルゴリズム」に特化した東京大学発のスタートアップである。ハードウェアを自社では作らず、クラウド型量子化学計算サービス「Qamuy(カムイ)」、誤り耐性量子コンピュータ(FTQC)時代を見据えた開発基盤「QURI SDK(キューリ)」、そして2023年に大阪大学と考案した独自アルゴリズム「QSCI」を武器に、トヨタ・JSR・中外製薬・ENEOSといった国内大手や、IBM・理研・鴻海(フォックスコン)と組んで「量子で解く化学」の実用化を進めている。本稿は、各サービスの中身と競合との違い、4社との協業、そしてケニアでの偶然から会社を