QunaSysとは何か ── 量子計算の実用化に「ソフトウェア」で挑む東大発スタートアップ

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量子コンピュータと聞くと、多くの人はIBMやGoogle、あるいはPsiQuantumのような「巨大なマシンを作る会社」を思い浮かべる。だがマシンがどれだけ高性能になっても、そこで「何をどう計算させるか」を決めるソフトウェアとアルゴリズムがなければ、量子コンピュータはただの箱にすぎない。QunaSys(株式会社QunaSys、本社・東京都文京区白山)は、まさにこの「頭脳」の側に賭けた会社である。同社のミッションは「Maximize the Power of Quantum Computing(量子コンピューティングの力を最大化する)」。裏方に追いやられてきた量子物理を社会の表舞台に引き出す、という言葉を掲げる。

創業は2018年2月。CEOの楊天任(ヤン テンニン、Tennin Yan)と、量子アルゴリズム研究者の御手洗光祐(みたらい こうすけ)が、ともに大学院生だった時に立ち上げた。技術顧問には、日本の量子計算研究を代表する大阪大学教授の藤井啓祐(ふじい けいすけ)が創業時から名を連ねる。2025年時点で従業員はおよそ45〜50名、そのうち博士号取得者が約20名という、研究者密度のきわめて高い集団だ。本社は東京だが、デンマーク・コペンハーゲンにも拠点を構え、欧州の量子コミュニティにも足場を置いている。

QunaSysの事業は大きく三つの柱からなる。第一に、量子コンピュータの性能を引き出すアルゴリズムの研究開発。とりわけ分子の基底状態エネルギーを求める変分量子固有値ソルバー(VQE)や、後述する独自手法QSCIに強みを持つ。第二に、その成果を化学の専門家が使えるクラウドサービスに落とし込んだ「Qamuy」。第三に、50社を超える大手企業が参加する産業コンソーシアム「QPARC」を運営し、各業界の課題を量子計算でどう解くかを共同で探る営みである。同社はこれまでに数十本の学術論文を発表しており、その一つひとつが「実用に効くアルゴリズム」への執着を映している。

重要なのは、QunaSysがスタック上で「アルゴリズム/ソフトウェア/アプリケーション層」に位置し、特定のハードウェアに縛られない設計思想を貫いている点だ。同社のソフトはIBMの量子計算機でも、Amazon Braket経由でアクセスするIonQやRigetti、Honeywell(Quantinuum)の実機でも、あるいは高速シミュレータ上でも動く。楊は「今の量子コンピュータは生まれたての赤ちゃんで、実用的な問題を今日解けるわけではない」と率直に語る。だからこそ、ハードが育つ数年〜十数年の助走期間に、実用に効くソフトウェア資産を積み上げる ── それがこの会社の一貫した戦略である。

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Qamuy(カムイ) ── 量子化学計算を「化学者の道具」に変えるクラウド

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QunaSysの看板サービスが、クラウド型の量子化学計算プラットフォーム「Qamuy(カムイ)」である。量子化学計算とは、分子や材料を量子力学の原理に立ち返って計算し、そのエネルギーや反応性、光の吸収の仕方といった性質を予測する営みだ。新薬の候補分子、有機ELや太陽電池に使う発光・光応答材料、電池の電極材料、化学反応を速める触媒 ── こうした「分子でできたもの」の設計は、突き詰めればすべて電子のふるまいの計算に行き着く。

Qamuyの狙いは明快で、この難しい計算を「量子アルゴリズムを一行も書けない化学者」でも使えるようにすることにある。使い方はおおむね三段階だ。まず、いつもの化学計算の入力を与えると、Qamuyがそれを自動的に量子回路へと翻訳する。次に、内蔵のシミュレータ上でパラメータを最適化し計算を検証する。そして有望なケースだけを、Amazon Braket経由で実際の量子コンピュータに投げて信頼性を高める。分子の基底状態・励起状態のエネルギー、安定構造の探索、分子動力学、振動解析、光吸収スペクトル、さらには結晶のような周期系のバンド構造まで、扱える計算は幅広い。ソルバーとしてVQEに加え励起状態向けのSSVQEやVQDを備え、必要な量子ビット数を減らす工夫や、将来のマシンで「どれだけの計算資源が要るか」の見積もり機能まで組み込まれている。

具体的な検証例を挙げると、三菱ケミカルとJSRはQamuy上でシミュレータを使い、有機分子の光励起状態を「化学的精度」と呼ばれる高い水準で計算し、拡張性のあるアルゴリズムを特定した。また三菱ケミカル、豊田中央研究所、住友金属鉱山は、水素原子が一列に並んだ鎖が示す「パイエルス転移」という現象を量子計算でモデル化し、手法の有効性を確かめつつ、量子ビット削減という次の課題を洗い出している。いずれも「今日の量子計算機で、古典計算が苦手とする問題にどこまで迫れるか」を測る実地の試みだ。

Qamuyのメリットは、裏を返せば量子化学の「参入障壁」を下げる点に集約される。従来なら、化学者は量子アルゴリズムの専門知識を身につけるか、専門家と長く組む必要があった。Qamuyはその手間を肩代わりし、まず安価なシミュレータで試し、有望なものだけを高価な実機に回すことで、試行錯誤のコストを圧縮する。競合と比べると、英国・米国のQuantinuumが提供する化学プラットフォーム「InQuanto」は自社の量子ハードを持つ垂直統合型であり、フィンランド発(2026年にミラノへ本社を移した)のAlgorithmiqは創薬・製薬に軸足を置く。ドイツのHQS Quantum Simulationsは分光・材料に強い。こうしたなかでQunaSysは、特定ハードに依存しない中立性と、後述するアルゴリズムの独自性で立ち位置を築いている。かつて量子ソフトの代表格とされた米Zapata AIが2024年10月に事業を停止したことは、この分野が「技術さえあれば生き残れる」ほど甘くないことを示しており、QunaSysが産業界との協業に軸足を置く経営判断の裏付けにもなっている。

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QURI(キューリ)SDKとQSCI ── FTQC時代の武器と「世界最大の化学計算」

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Qamuyが「今のノイズだらけのマシン(NISQ)」で化学者を助ける道具だとすれば、QURI SDK(キューリ)は「誤り訂正が効いた未来のマシン(FTQC)」に向けた開発基盤である。QURIは「Quantum Universal Research Interface」の略で、デバイスやアーキテクチャに依存せずに量子アルゴリズムを記述・解析・実行できるオープンソースのライブラリ群だ。中身は三つの部品に分かれる。アルゴリズムの土台を提供する「QURI Parts」、異なるアーキテクチャ上での性能を評価し、必要な量子ビット数やゲート数を見積もる「QURI VM」、そして早期FTQC向けのアルゴリズムを同梱した「QURI Algo」である。

ここで鍵になるのが、量子コンピュータの世代の違いだ。現在のNISQは、誤り訂正のない数十〜数百量子ビットのノイズありマシンで、VQEのような変分アルゴリズムが主戦場になる。対して将来のFTQCは、誤り訂正によって「ほぼエラーのない論理量子ビット」を実現したマシンで、桁違いに強力なアルゴリズムが本領を発揮する。QURI VMを使えば、実機を持たなくても「将来のFTQC機でこの計算がどれだけ現実的か」を試算できる。ハードの仕様がまだ流動的な移行期に、アルゴリズムという資産を陳腐化させずに育てられる ── これがQURI SDKの価値である。QunaSysの源流には、大阪大学の藤井研究室で生まれ、いまも同社が保守する高速シミュレータ「Qulacs(キュラックス)」があり、累計200万ダウンロードを超える研究者標準ツールとして、この開発サイクル全体を下支えしている。

そして2026年、QunaSysの技術力を世界に印象づけたのが独自アルゴリズム「QSCI(Quantum-Selected Configuration Interaction、量子選択配置間相互作用)」である。QSCIは、QunaSysと大阪大学が2023年2月に発表した量子・古典ハイブリッド手法だ。量子デバイスは「重要な電子配置をサンプリングする」役割に徹し、そこで選ばれた部分空間の中でハミルトニアンを古典コンピュータが厳密に対角化する。ノイズや規模拡大に弱いVQEと違い、QSCIは今あるノイズありハードでも、より大規模で現実的な問題を扱えるのが強みである。その威力が示されたのが、理化学研究所とIBMによる実証だ。両者はQunaSys・大阪大が考案したQSCIの系譜に連なる手法を用い、IBMのHeronプロセッサで計算を絞り込んだうえで理研のスーパーコンピュータ「富岳」で解き、生物の反応に不可欠な鉄硫黄クラスター[4Fe-4S]の電子状態を最大77量子ビット規模で計算した。これは「量子コンピュータで行われた、過去最大かつ最も高精度な化学計算」とされ、2026年3月にIBMが量子中心スーパーコンピューティングの新たな設計図として大きく打ち出した成果でもある。IBMが提供する「Sample-based Quantum Diagonalization(SQD)」も、QSCIの発想を近い形で拡張・改良した派生手法と位置づけられており、日本の一スタートアップが提唱した手法が世界最大手の技術系譜に影響を与えた形だ。

QunaSysはこの流れを事業化にも接続している。2026年3月には技術ポータル「Awesome QSCI」と公式パートナープログラムを立ち上げ、ハードウェアベンダー向けに共同での技術最適化やエンタープライズ導入支援、知財の枠組みを提供し始めた。楊はこの取り組みの狙いを「化学の研究開発を10倍から100倍の速さへ引き上げること」だと語る。さらに同社は量子計算の「外側」にも触手を伸ばす。2026年5月に募集を拡大したAIによる研究支援サービス「PhysiLenz(フィジレンズ)」は、生成AIを使って研究者の仮説を数理モデルへと構造化し、複雑な現象の関係性を可視化して次の実験や解析の指針を示す。量子計算にたどり着く前の「研究テーマの定式化」を助けるこのサービスは、QunaSysが単なる量子ソフト企業から「研究開発そのものを支えるプラットフォーム」へと脱皮しようとしている兆しといえる。

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トヨタ ── DFTの限界を超える材料設計を目指して

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ここからは国内大手との協業を一社ずつ見ていく。まずトヨタだが、注意が必要なのは「トヨタ」と一口に言っても、QunaSysが向き合う相手は性格の異なる三つの法人だという点である。研究提携の相手はトヨタ自動車と豊田中央研究所であり、出資者は商社の豊田通商だ。

トヨタ自動車との共同研究は2021年10月に始まった。舞台となったのは、本業のクルマ開発とは一線を画す先端研究組織「未来創生センター」(静岡県裾野市)である。トヨタは以前から、材料開発をデータとシミュレーションで加速する「マテリアルズインフォマティクス」を進めてきたが、その基盤である密度汎関数法(DFT)には、電池や触媒のような機能材料を高精度に設計するうえで精度の壁があった。そこで両社は、量子コンピュータによる高精度な量子化学計算で、将来的にDFTを超える設計技術を実現することを狙った。

この共同研究は、具体的な査読論文として結実している。トヨタ自動車とQunaSysが共著し、自動車技術会論文集(2023年1月)に載った研究では、燃料電池車や水素エンジンをにらんで「液体水素」を対象材料に選んだ。もっとも単純なベンチマークとして、水素分子どうしに働く弱いファンデルワールス相互作用を取り上げ、QunaSysのQamuyとシミュレータQulacs上でVQEを用いて相互作用を計算し、それを力場(分子間に働く力のモデル)にフィッティングして大規模な分子動力学シミュレーションに橋渡しした。結果は示唆に富む。従来のDFT(PBE汎関数)は水素分子間の結合エネルギーを二倍以上も過大評価してしまい、液体水素の蒸発温度を実測の約20Kに対して50Kと大きく外した。ところがVQEを使うと約15Kと実測に近づき、密度の予測も実測に肉薄した。つまりVQEは、DFTが苦手とするファンデルワールス系において「力場を生み出す高精度エンジン」として、自動車材料設計の有望なユースケースになりうる ── これが両社の到達点だった。

もう一つのトヨタ、豊田中央研究所とは2021年6月から、量子ダイナミクス計算を活用した材料設計に取り組んでいる。こちらは原子核の量子効果や、電子と原子核の運動が絡み合う「非断熱効果」まで取り込んだ計算がテーマで、光触媒や発光材料といった機能性材料の設計への応用を見据える。そして豊田通商とは2022年5月、資本業務提携を締結した。これはQunaSysのシリーズBエクステンションラウンドにあたる第三者割当増資で、三菱電機系のCVC「ME Innovation Fund」も同時に引き受けた。提携の主眼は販売面にあり、豊田通商が国内外の顧客基盤を生かしてQamuyやマテリアルズインフォマティクスのソリューションを広める役割を担う。出資額そのものは公表されていない。研究から資本、販売までトヨタグループの複数の顔と結びついていることが、QunaSysの産業界における立ち位置を象徴している。

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JSR ── 半導体フォトレジストと高分子への量子化学

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化学メーカーのJSRは、QunaSysにとって最も古い協業パートナーの一つである。両社は2019年3月に共同研究契約を結び、「量子コンピュータを活用する量子化学計算アルゴリズムの開発」に着手した。JSRはすでにマテリアルズインフォマティクスを使いこなす計算化学の実力企業であり、そこにQunaSysの量子アルゴリズムの知見を掛け合わせて、「量子コンピュータを材料開発にどう使うか」のノウハウを早期に築くのが狙いだった。

この協業は学術的な成果も生んでいる。QunaSys、大阪大学、そしてJSRの大西裕也(おおにし ゆうや)が共著し、Physical Review Research誌(2020年)に掲載された「軌道最適化ユニタリー結合クラスター法(OO-UCC)」の論文がそれだ。OO-UCCは、VQEの枠組みのなかで、電子の相関を表すパラメータと分子軌道の係数を同時に変分最適化する手法で、分子構造の最適化を追加の方程式なしにこなせる。同じ精度をより小さな計算空間・より浅い量子回路で達成できるため、ノイズに弱いNISQ時代の実用性がとりわけ高い。JSRのような材料メーカーが、半導体材料や高分子の設計を見据えて量子化学に本気で踏み込んでいることを示す成果である。

協業はやがて、より野心的なプロジェクトへと広がった。2021年12月、QunaSysは米PsiQuantumと、誤り耐性量子コンピュータによる産業化学・材料科学の発展に向けた共同研究を発表し、JSRはそこに「アルファ顧客」として参画した。ここでJSRが評価対象に挙げた材料には、エラストマーやプラスチック、試薬に加えて、半導体製造に不可欠な「フォトレジスト」が明記されている。JSRは先端フォトレジストで世界首位級のシェアを握り、2021年には米Inpriaを買収してEUV向けのメタルオキサイドレジスト技術を取り込んだ企業だ。同社のマテリアルズインフォマティクス部門を率いる大西は、PsiQuantumの発表に際し「量子コンピューティングはもはやSFではなく、この革新的技術に備えるべき時は今だ。どの計算課題に量子計算が応えられ、最もインパクトのあるユースケースを特定できるかが、将来の競争優位を左右する」と語っている。なお、量子計算でフォトレジストの特定分子を計算し切ったといった具体的な成果はまだ公表されておらず、半導体材料はあくまで評価対象のカテゴリーとして視野に入っている段階だ。JSRは2024年に官民ファンドのJICによる約1兆円規模の買収で非公開化されており、量子への長期投資を腰を据えて続けられる資本構成に移ったことも、この協業の背景として見逃せない。

中外製薬 ── 「あと一歩」の創薬を量子で狙う

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製薬大手・中外製薬との関わりは、共同研究契約や資本提携といった固い形ではなく、2023年4月から9月にかけて行われた「創薬ワークショップ」を通じた探索・対話が中心である。これはQunaSysが主催した創薬関連ワークショップ・シリーズの一環で、中外製薬のほか大阪大学、広島市立大学、横河電機が参加した。その成果は中外製薬の公式noteに「量子コンピュータが拓く次世代創薬 〜QunaSys × 中外製薬の化学反応〜」という対談記事として結実し、QunaSysのCOO松岡智代と、中外製薬・先進的計算化学グループの荒川明彦が語り合っている。

対話から浮かび上がるのは、創薬における量子化学のリアルな期待値だ。荒川は、薬の効き目を左右するわずかなエネルギー差 ── 記事では0.5 kcal/mol程度という水準が語られる ── を正確に予測できれば、「これまで3錠飲まなければならなかった薬が1錠で済むようになる」かもしれないと説明する。それは患者のQoL(生活の質)に直結する「あと一歩」の改善である。中外製薬は次世代抗体、低分子、そして中分子という三つの創薬モダリティを持ち、なかでも環状ペプチドのような中分子は同社の戦略の要だ。QunaSys側の中長期目標として松岡は「高精度の量子化学計算で、低分子化合物や数残基ほどのペプチド鎖を10時間で解く」ことを掲げており、この「数残基のペプチド」という射程が、中外の中分子志向とちょうど噛み合う。実務的には、分子の特定領域だけを量子計算し、残りは古典計算で扱うハイブリッド手法や、水・イオン・脂質を含む生体環境の取り扱いが有望として議論された。

もっとも、両者の対話は製薬業界特有の慎重さもにじませる。松岡は「うちは物理の人間が多いので、産業で本当に解きたい問題、本当に見たいところが何なのかが分からない」と、産業課題とのすり合わせの難しさを率直に認め、「よく『まだ早いよね』と言われる」とも漏らす。荒川もまた「新技術の導入に関してはシビアだ」と、過剰投資を戒める製薬企業の規律を語る。それでも荒川は「ぜひ一緒に解決策を探り、量子コンピューターが中外製薬の創薬研究に活用される状態を実現したい」と結んだ。楊も「これらのワークショップは、量子計算技術をさまざまな産業に応用しようという我々の姿勢の表れだ」とコメントしている。中外との協業は、共著論文や実機実証といった具体的アウトプットに至る前の、可能性を見極める探索段階にある。

ENEOS ── 水素・触媒・潤滑油で示した実機の成果

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4社のなかで、実機での具体的成果が最も豊富なのがENEOSとの協業である。ENEOS(協業開始の公表時は商号変更前のJXTGホールディングス)とQunaSysは、2020年4月から量子コンピュータを用いた計算化学手法の共同研究に取り組んできた。エネルギー大手が量子計算に注目するのには、切実な理由がある。ENEOSは持続可能な水素の製造・輸送を研究しているが、水素は軽くてかさばり運びにくいため、いったんメチルシクロヘキサン(MCH)という液体に変換して運ぶ「有機ハイドライド」方式が有力だ。この変換を担う触媒反応を解明するには、電子の相関を含んだ遷移状態の計算や分子振動の解析が要る。ところがこれらは古典コンピュータには重すぎ、産業応用の足かせになっていた。ここを量子アルゴリズムで突破しよう、というのが両社の問題意識である。

成果は二つの系統で挙がっている。一つは2021年、石油精製や水素製造の触媒反応、さらに潤滑油に加える添加剤の反応機構を評価するための「分子振動の周波数解析」を量子アルゴリズム化し、Microsoft Azure Quantum経由でHoneywell(現Quantinuum)のイオントラップ型実機の上で実証したことだ。もう一つは2023年、前章で触れた独自手法QSCIを使い、ジアゼン(8量子ビット)とメタン(16量子ビット)の分子基底エネルギーをIBMの実機上で計算し、古典計算による厳密解(CASCI)を高い精度で再現したことである。この成果は2023年12月、ニューヨークで開かれたIBM Quantum Summit 2023で共同研究として発表された。量子計算機の役割を「サンプリング」に限定するQSCIの設計が、実機のノイズに対してロバストに働き、シミュレータ上のVQEを上回る精度を実機で引き出せることを示した点に意義がある。

ENEOSの研究者たちの言葉は、この協業の手応えを伝えている。データサイエンスグループのマネージャーであるTakeshi Ibukaは「アルゴリズムを検証し、Azure Quantum上で動く量子コンピュータで振動解析を実行できることを実証した。単純に聞こえるかもしれないが、それを証明できたことは本当に大きい」と語る。リードサイエンティストのTaku Watanabeは「Azure Quantumで走らせた計算が、実機でもシミュレータと同じ結果を返した。計算に成功したという証拠だ」と手応えを述べ、ケミストのTakafumi Ishiiは「その素晴らしい技術と専門知識ゆえに、我々はQunaSysをパートナーに選んだ」と続けた。エネルギー転換という国家的課題の最前線で、実機の成果と現場の実感がそろって語られているのは、4社の協業のなかでもひときわ具体的である。

CEO 楊天任 ── 中国からの少年、東大、そしてアフリカへ

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ここからは、この異色の集団を率いるCEO楊天任の人物像に分け入る。楊は1994年生まれ。中国で生まれ、3歳のときに両親とともに来日し、のちに日本に帰化した。ルーツは中国、国籍は日本という背景を持つ。エンジニアリングへの傾倒は、幼少期の家庭環境に根がある。本人によれば、父は「洗濯機が壊れると分解して修理してしまうようなタイプ」で、その姿を見て育った楊は自然と機械やものづくりが好きになった。「小さい頃から、好きなものにはとことん突き進むタイプだった」と自身を評する。

学歴を追うと、意外な事実に突き当たる。楊はもともと量子物理や量子化学の専門家ではない。彼が2016年に卒業したのは東京大学工学部の機械情報工学科、専攻テーマは機械学習だった。そのまま同大学院の情報理工学系研究科・知能機械情報学専攻に進み、機械学習系の研究室に籍を置く。学部・大学院を通じてロボティクスと機械学習を志向し、その分野に強いドイツのミュンヘン工科大学へ交換留学した。ところが「ドイツで学ぶ内容は日本とさほど変わらない」と感じ、途中で専攻をマネジメント(イノベーション・マネジメント)へと切り替えている。この時点で、起業という発想は彼の頭になかった。量子コンピュータは、この後アフリカで訪れる偶然を経て、独学で身につけることになる。

学生時代の楊を語るうえで欠かせないのが、その手を動かす旺盛さである。彼は東京大学フォーミュラファクトリという学生フォーミュラのサークルに所属し、一人乗りの小型レーシングカーを製作した。日経の取材によれば、板金を切り出して溶接し、大型バイクから取り外したエンジンを載せて、文字どおり一から自動車を作って走らせていたという。大学院在学中には、自動運転・ロボティクスのZMP、会計SaaSのfreee、アフリカ関連事業のAfri-incなど複数のスタートアップでインターンを重ね、機械学習からウェブ開発まで幅広く手を動かした。こうした経験を通じて彼が抱いたのが、「大学で追いかけている最先端の技術と、それが社会に届くまでの間には大きな隔たりがある」という問題意識だった。研究を社会に実装することへの強い関心 ── これが後の起業の通奏低音になる。技術には自信を持ちつつ、自らのビジネス知見の不足は率直に認める謙虚さも、周囲は彼の人物像として挙げる。2023年にはForbes JAPANの「30 UNDER 30」に選ばれ、若きディープテック起業家として広く認知されるようになった。

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人物像と、才能を束ねる共同創業者たち

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CEOとしての楊のスタンスは、いくつかの言葉によく表れている。彼はQunaSysの強みを「アルゴリズムを作り出す力が圧倒的に優れていること」だと言い切る一方で、「QunaSysの仕事はどれも一人ではできない」と、チームと人材育成の重要性を繰り返す。「これからのスタートアップは、純粋にテクノロジーを磨くだけではどうにもならない」「量子コンピュータはまだ研究段階で、社会に役立つ研究かどうかを最初から狙って研究できるものではない」といった発言からは、技術への確信と、その先の社会実装や試行錯誤の不確実性を冷静に見据える二重の目線がうかがえる。関心の対象に没頭し、行き詰まれば機械学習からロボティクス、マネジメント、そして量子へと柔軟に軸足を移してきた彼の来歴そのものが、この探究心を裏づけている。CEO自身も研究者の一員として、高速シミュレータQulacsを紹介する学術論文(Quantum誌、2021年)や、自社製品Qamuyを用いてVQEで光化学反応の円錐交差を計算した論文などに共著者として名を連ねている。

共同創業者の御手洗光祐は、楊とは対照的に筋金入りの量子人材だ。中学生の頃から量子物理に惹かれ、「量子力学の授業を受けられる」ことを理由に愛知の豊田工業高等専門学校へ進み、その後、大阪大学基礎工学部へ編入。大学院では核スピン量子コンピュータで著名な北川勝浩教授の研究室に入り、根来誠の指導も受けて2020年3月に博士号を取得した。彼が提案した、NISQ向けの量子機械学習アルゴリズム「量子回路学習(Quantum Circuit Learning)」は、発表から2年で200件を超える被引用を集め、GoogleやXanaduの主要ライブラリにも採り入れられた。2020年には26歳でMIT Technology Reviewの「Innovators Under 35 Japan」に選出され、2023年からは大阪大学の准教授も務める。創業時はQunaSysの最高科学責任者(CSO)として量子機械学習や量子化学計算の研究開発を牽引し、現在はアドバイザーとして関わる。

そして、この会社が生まれるきっかけそのものを作ったのが技術顧問の藤井啓祐である。創業当時は京都大学の特定准教授、現在は大阪大学教授で量子情報・量子生命研究センターの副センター長を務め、理化学研究所のチームリーダーも兼ねる、日本の量子計算研究の中心人物だ。英語圏のメディアやQunaSysの英語版サイトは藤井を実質的な「共同創業者(co-founder)」と記すことが多く、日本語の紹介では「創業は楊と御手洗、藤井は技術顧問」とするなど肩書の表記には媒体差があるが、藤井が創業の中核人物であることはすべての情報源が一致する。創業直後の中核メンバーには、東大で物性理論・量子情報物理を修め、銀行系クオンツの経験も持つチーフエンジニアの中川裕也らが加わった。投資家からの評価も高い。ケニアでの出会いから初期投資家となったANRIの鮫島昌弘は、QunaSysが量子計算分野で「絶対的なリーディングカンパニー」になると期待を寄せ、「QunaSysが生き残れば、日本の量子技術は大丈夫だ」とまで語っている。

創業物語 ── ケニアの偶然が量子ベンチャーを生んだ

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QunaSysの創業譚は、量子コンピュータとはおよそ縁のなさそうな場所から始まる ── アフリカ、ケニアである。ミュンヘン留学の終盤、楊は「ラストフロンティアと呼ばれるアフリカを、自分の目で見てみたい」と思い立ち、ドイツからケニアへ渡って現地企業でインターンとして働き始めた。繰り返すが、この時点で彼に起業の意志はなかった。

転機は、その現地での偶然の出会いだった。ケニアを視察に来ていた一人の日本人投資家 ── ベンチャーキャピタルANRIの鮫島昌弘 ── と楊は知り合う。鮫島はANRIの投資先を訪ねてケニアに来ており、楊がインターンをしていた先は、まさに鮫島が「会社を作りましょう」と持ちかけていた相手だった、という縁である。帰国後に焼肉をおごる約束を交わしたところから交流が始まり、楊は鮫島から量子コンピュータという分野の話を聞くようになる。楊自身の言葉を借りれば、「ケニアで出会った投資家に、当時京都大学で量子アルゴリズムなどを研究していた藤井啓祐先生を紹介してもらった。先生がベンチャー企業の設立に向けて経営者候補を探している、という話を聞いたのがすべての始まりだった」。藤井は量子ベンチャーを興したいが、それを事業として率いる経営人材を探していた。マネジメントを学び、技術を理解し、社会実装に飢えていた楊は、その空席にぴたりとはまる人物だった。

帰国は2017年5月。楊は藤井と会う前に量子コンピュータの専門書を読みあさり、その原理を独学で理解してから面会に臨んだ。2018年1月に藤井と初めて会い、二人は意気投合する。そして、その面会からわずか1カ月後の2018年2月、楊は御手洗とともにQunaSysを設立した(MIT Technology Reviewは「出会いからわずか2カ月での立ち上げ」と表現している)。動機は明快だった。量子コンピュータはまだ研究段階で、ハードは各社がしのぎを削って開発しているが、実用化に不可欠なソフトウェアとアルゴリズムが決定的に足りない。その空白こそ、社会実装に賭ける自分たちが埋めるべき場所だ ── そう見定めたのである。楊は後にこの一連の出会いをこう総括している。「藤井先生との出会いが、私の人生を変えました」。創業直後の2018年4月には、Global Brain、ANRI、新生企業投資などから数千万円規模のシード資金を調達した。ケニアの焼肉の約束が、そのまま最初の資本になった格好である。

シリコンバレーVCの視点 ── 報道・投資家層・今後の展望

量子スタートアップQunaSys(キュナシス) CEO 楊天任(ヤン テンニン)。Qamuy(カムイ)、QURI(キューリ) - シリコンバレーVCの視点 ── 報道・投資家層・今後の展望 - 章扉

最後に、この会社をグローバルな資本の視点、とりわけシリコンバレーのベンチャーキャピタルの目線から読み解いてみたい。まず資金調達の履歴を整理すると、QunaSysは2018年のシード(数千万円規模)に始まり、2019年に2.8億円、2022年3月にはJICベンチャー・グロース・インベストメンツをリードとするシリーズB総額12.4億円(調達当時の為替で約1,000万ドル)を、ANRIやグローバルブレイン、日本ゼオン、富士通ベンチャーズ、MUFGキャピタルらの参加で調達した。同年5月には豊田通商と三菱電機系ファンドを引受先とするシリーズBエクステンションを実施し、2023年にはIBMの投資部門IBM Venturesからも出資を受けている。そして2024年11月、スパークス運用の「未来創生3号ファンド」をリードとするシリーズB2で総額17億円(約1,110万ドル)を調達した。この回にはJIC、富士通ベンチャーズ、三菱電機、大阪大学VC、KDDI、京セラ、日本ゼオンが名を連ね、三井住友銀行から5億円の融資枠も確保、KDDI・京セラとは資本業務提携でも合意している。累計調達額は、Crunchbaseの集計では約2,970万ドル(約45億円)とされる。

この投資家の顔ぶれは、シリコンバレーの標準的なスタートアップとはまるで違う。QunaSysを支えるのは、政府系のJIC、IBM Ventures、そして富士通・三菱電機・KDDI・京セラ・豊田通商・日本ゼオンといった日本の事業会社(ストラテジック投資家)と、ANRIやグローバルブレイン、スパークスといった国内の投資家である。米国の巨大機関投資家や著名ファンド ── PsiQuantumを支えるBlackRockやBaillie Gifford、SandboxAQを支えるT. Rowe PriceやRay Dalio系ファンドのような ── の名前はそこにない。2026年5月に協力強化を発表した台湾・鴻海(フォックスコン)の研究機関、鴻海研究院との関係も、株式投資ではなく共同研究のパートナーシップである。両社はフェルミオンの符号化手法や、ニューラルネットを組み合わせた「Lossy-QSCI」による大規模量子化学シミュレーションの枠組みを共同で開発し、その成果はPhysical Review Research誌に採択された。シリコンバレーのVCの流儀からすれば、これは「メガVCの大型ラウンドで一気にスケールする」モデルではなく、「顧客であり出資者でもある大企業と、長い時間をかけて実用化を握っていく」モデルだと映るだろう。

2026年の量子投資環境そのものを俯瞰すると、この対比はいっそう際立つ。PsiQuantumは2025年に10億ドル(約1,500億円)を調達して評価額70億ドル(約1兆1,000億円)に達し、Quantinuumは同年に評価額100億ドル(約1兆5,500億円、プレマネー)で約6億ドル(約930億円)を集めたうえ、2026年6月にはナスダックへ上場して約16.8億ドル(約2,600億円)を調達する、量子専業として過去最大級のIPOを成し遂げた。米政府は2026年5月、量子関連の約9社に総額およそ20億ドル(約3,100億円)を投じ、少数株主として資本参加する方針を打ち出しており、量子は国家間の覇権争いの様相すら帯びている。もっとも、2025年に記録的な調達の年(Crunchbase集計で約41億ドル〈約6,400億円〉)を迎えた民間投資は、2026年に入るとスタートアップ向けで明確に減速し、資金配分は再びハードウェア寄りへと回帰した。上場した量子専業4社の合計時価総額が数百億ドル規模で高止まりする一方、未上場勢の調達は細るという「公開市場は強く、私募は冷える」ねじれも生じている。投資家の顔ぶれも、専門の量子VCから、大手機関投資家やソブリンウェルスファンド、そしてNVIDIAの投資部門NVenturesのような事業会社へと重心を移した。巨額の資本がハードウェアの「マシン競争」に集中するなかで、QunaSysのようなソフトウェア・アルゴリズム層の企業は、いわば「ゴールドラッシュのつるはしとシャベル」を握る立ち位置にある。

では、シリコンバレーのVCはQunaSysに何を見るのか。強みは二つに整理できる。第一に、QSCIという明確なアルゴリズムの独自性だ。ノイズだらけの現行ハードでも実用的な化学計算を可能にし、IBM・理研・富岳と組んで「世界最大の化学計算」を実現し、IBMのSQDに影響を与えた実績は、この会社が単なるコンサルではなく、独自の知的資産を生み出せることの証明である。第二に、トヨタ・JSR・ENEOS・中外製薬をはじめとする日本の産業界との深い関係であり、これは「量子で解くべき、金になる問題」への特権的なアクセスを意味する。一方でリスクも明快だ。誤り耐性量子コンピュータ(FTQC)の本格到来は、IBMが「Starling」で大規模FTQCの実現を掲げる2029年前後より先とされ、その間の売上をどう作るかは量子ソフト企業に共通の難題である。しかも、量子計算の「本命アプリは化学だ」という長年の前提そのものにも学術的な揺さぶりが強まっている。第一線の研究者が名を連ねた研究(Nature Communications 誌、2023年)は、量子位相推定が必要とする入力状態と分子の真の基底状態との重なりが、系が大きくなるほど指数的に減衰する「直交性カタストロフィ」を指摘し、古典計算が苦手な強相関系ほど量子でも難しくなりうるとして、「化学の広い領域にわたる指数的な量子優位の証拠はまだ見つかっていない」と結論づけた。この慎重論は決着していないが、QunaSysが賭ける領域に追い風と向かい風が同時に吹いていることを示している。加えて、米国の巨大資本の中心から地理的にも人的にも遠い日本に本社を置くことは、次の大型調達やグローバル展開でハンデにもなりうる。QunaSysが2025年に欧州のEUREKA枠で創薬プロジェクト「QuEnAIS」に参画し、デンマークに現地子会社QunaSys Denmark ApSを構え、鴻海と組んで台湾・アジアへも触手を伸ばしているのは、この地理的制約を意識的に越えようとする動きと読める。

今後の焦点を、時期とともに見通しておこう。当面(2026年後半)の見どころは、3月に始動したQSCIパートナープログラムがどれだけハードウェアベンダーや大企業を巻き込むか、そして5月に募集を拡大したAI研究支援サービスPhysiLenzが、量子計算の外側で新たな収益源に育つかである。技術面では、鴻海研究院との共同研究が、2026年に二量子ビットの論理演算、2027年に5〜10量子ビットのプログラム可能な試作機、2030年ごろの商用化を掲げる同社のロードマップと、どこまで歩調を合わせるかが注目される。そして資本面では、直近の大型調達がシリーズB2にとどまり、まだシリーズCに至っていないことから、FTQCの足音が近づく2026年後半から2027年にかけて、QunaSysが次の成長ラウンドに動く可能性は高い。そのとき、これまで支えてきた事業会社や政府系マネーに加えて、海外の機関投資家やメガVCがついに名を連ねるのかどうか ── それは、日本発の量子ソフトウェア企業が「世界のQunaSys」になれるかを占う、最初の試金石になるだろう。MIT Technology Reviewが早くから「巨大企業から注目される理由」を問い、国内の投資家が「生き残れば日本の量子技術は大丈夫」と全幅の信頼を託すこの会社が、次にどんな一手を打つのか。日本発の量子ソフトウェア企業の静かな挑戦は、いよいよ世界の量子競争の本流と交わろうとしている。


量子スタートアップQunaSys(キュナシス) CEO 楊天任(ヤン テンニン)。Qamuy(カムイ)、QURI(キューリ) - シリコンバレーVCの視点 ── 報道・投資家層・今後の展望 - 図表1