
アグリテックの現在地点、AI自動収穫ロボット・次世代農業用ドローン・フードセキュリティ・アグリゲノミクス
アグリテック(AgTech)は、垂直農法バブルの崩壊と投資家の幻滅を経て、2026年に新たな転換期を迎えている。AgFunderが2026年3月に世界アグリテック・イノベーション・サミット(サンフランシスコ)で発表した「Global AgriFoodTech Investment Report 2026」によれば、2025年の世界アグリフードテック投資額は162億ドル(約2兆4,300億円)と前年比3%減で横ばいだったが、上流(農場・生物系)への投資は逆に7%増の90億ドル(約1兆3,500億円)に達し、「ディープテック」の比率は10年前の22%から32%へと上昇した。シリコンバレーVCの関心は「垂直農法やフェイクミート」から「AI×ロボティクス×ゲノム編集」へと構造的に移行しつつあり、John Deereの自律走行8Rトラクターの全米展開、Carbon RoboticsのLaserWeederの累積2億7,600万ドル調達、InariのSeries G・時価総額21億7,000万ドル、Pairwiseのタイム誌グリーンテック26位入選など、技術の「紙上設計」から「商用ユニットエコノミクス」への移行が鮮明になっている。一方でMonarch Tractorの2026年4月のCaterpillarによる事実上の救済買収、PlentyおよびBowery Farmingの経営破綻は、アグリテックにおける「ハードウェアと規模の壁」の厳しさを改めて示した。本稿ではシリコンバレーVCの視点から、AI収穫ロボット、農業ドローン、フードセキュリティ、ゲノム編集作物の4分野を統合的に分析する。
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