
NVIDIA GPU vs Google TPU
AI産業のインフラを支える2つの巨大な柱——NVIDIAのGPUとGoogleのTPU——が、2026年に入り新たな競争フェーズに突入している。NVIDIAはデータセンター売上が2025年度(2025年1月期)に1,152億ドル(約17兆2,800億円)に達し、Blackwell世代(B200/GB200)の出荷を本格化。AI訓練用アクセラレータ市場で推定70〜95%のシェアを握る圧倒的支配者だ。一方、GoogleのTPU(Tensor Processing Unit)は、2016年のv1発表以来10年の進化を重ね、第6世代「Trillium」に到達。TPU v5eは同等性能のGPUインスタンスと比較して訓練コスト50%削減、推論コスト最大2.5倍のコスト効率改善をGoogleは主張する。Anthropic(Claude)、Character.AI、Cohere、MidJourneyといったAIスタートアップがTPUのコスト優位性に着目して採用する一方、OpenAI、Meta、xAIはNVIDIA GPU一択の戦略を堅持する。Sequoia Capitalは「AI's $600B Question」レポートでGPUへの過剰投資リスクを指摘し、a16zはNVIDIA依存からの脱却をポートフォリオ企業の課題と位置づける。Jim Keller(Tenstorrent CEO、AMD Zen/Apple Aシリーズ設計者)は「NVIDIAの堀は思われているほど深くない」と挑戦状を叩きつけ、David Patterson(UCバークレー名誉教授、RISC発明者、Google Distinguished Engineer)はTPUに代表されるドメイン特化アーキテクチャの構造的優位性を論証する。Morgan Stanleyは短期的なNVIDIA優位を維持しつつも、Goldman Sachsは「カスタムチップが中期的にシェアを拡大する」と予測する。本稿では、GPUとTPUの歴史的経緯、技術的特性、コスト性能比較、シリコンバレーVCの投資テーゼ、著名人の見解、そして今後のトレンドを包括的に検証する。