基盤モデル・大規模言語モデル本体の発表、性能、アーキテクチャ、各社の開発動向。OpenAI・Anthropic・Google・中国勢などのモデルそのものが主題のもの。音声認識や翻訳のような『生成ではない』モデルもここ。
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Anthropic の「Claude エンタープライズプラン」は、生成AIを個人の生産性ツールから全社の統制対象へと引き上げるための管理レイヤーである。2025年8月の管理機能拡充を起点に、2026年に入って監査ログ、コンプライアンスAPI(60社超のセキュリティ製品と連携)、部署別ダッシュボードと分析API、モデル権限とコストコントロール、そしてMCPコネクターの認証一元管理(β版)が矢継ぎ早に投入された。本稿は、公式ドキュメントと日米のSIer・セキュリティベンダー・各紙の報道を突き合わせ、これらの機能を「セキュリティ/法務」「IT/FinOps」「ID/権限」という三つの統制プレーンとし
自動運転業界の出身者が2023年に創業した米AIラボのOdyssey(オデッセイ)が、2026年6月17日、シリーズBで3億1,000万ドル(約480億円)を調達し、企業価値(ポストマネー)14.5億ドル(約2,250億円)のユニコーンになったと発表した。ラウンドはNatural Capitalがリードし、Amazon、AMD Ventures、GV(旧Google Ventures)、EQT、そしてCIA系のIn-Q-Telが参加。累計調達額は約3億3,700万ドル(約520億円)に達した。「世界モデル(World Model)」は、文章を予測する大規模言語モデル(LLM)の次に来るとされ、
Anthropicは2026年6月30日、中位モデル「Claude Sonnet 5」を公開した。最上位のOpus 4.8に肉薄する性能を約4割安い価格で提供し、ブラウザやターミナルを自律操作する「最もエージェント的なSonnet」をうたう。導入価格は8月31日まで入力100万トークンあたり2ドル(約310円)・出力10ドル(約1,550円)で、SWE-bench ProやOSWorldなどエージェント系ベンチで前世代を大きく上回った。一方シリコンバレーのエンジニアからは「エージェント特化が進み対話アシスタントとしてはむしろ後退した」との辛口評価も出ている。IPO直前の価格戦略と、3週間前のF
大規模言語モデル(LLM)を本番で安定運用するための新しい規律「LLMOps」が、2025〜2026年にかけて投資と業界再編の主戦場になった。本稿はLangfuse、LangSmith、Helicone、Braintrust、Portkey、Latitude、Laminar、そしてDatabricksやGoogle Cloud Vertex AIといった主要ツールの仕組みを具体例から平易に解説したうえで、シリコンバレーのVCがこの領域をどう見ているかを統合する。ClickHouseによるLangfuse買収、Palo Alto NetworksによるPortkey買収など2026年前半に相次い
AI研究者として頭角を現したバレット・ゾフ(Barret Zoph)は、2026年1月にOpenAIへ復帰し、研究者でありながら「法人営業のトップ」という異例の重責を担った。しかしわずか約5か月後の2026年6月、彼は再び同社を去った。ニューラル・アーキテクチャ探索の先駆者であり、ChatGPTを「製品」へと磨き上げたポストトレーニングの司令塔でもあった人物が、なぜ営業職に就き、なぜ短期間で去ったのか。本稿は、博士号を持たない天才の生い立ちと学歴、グーグルとOpenAIでの職歴、そしてシリコンバレーのベンチャーキャピタル(VC)がこの「回転ドア」をどう読み解いているかまでを、信頼できる一次情報
Preferred Networks(PFN)の純国産LLM「PLaMo」は、フラッグシップの PLaMo 2.0 Prime を中心に、翻訳特化の PLaMo翻訳、開発者向けの PLaMo API、無料の PLaMo Chat、エッジ動作の PLaMo Lite へと用途別に展開している。本稿は各サービスと競合との立ち位置を具体例で解説し、PFN の歩みと、PLaMo を率いた岡野原大輔・代表取締役社長(前CTO)の生い立ち・学歴・創業物語を深く掘り下げる。さらに VC とメディアの受け止めを整理し、シリコンバレーの投資家の視点から今後の焦点を読み解く。
Googleは2026年6月9日(米国時間)、話し手の声質を保ったまま70以上の言語を「同時通訳」のようにストリーミング翻訳する音声モデル「Gemini 3.5 Live Translate」を発表した。Google翻訳アプリには即日グローバル展開され、Google Meetと開発者向けGemini Live APIにも順次導入される。本稿では製品の仕組みと使い方を具体例で解説した上で、日米欧メディアの論調、OpenAIやDeepLなど競合の最新動向、そしてシリコンバレーのVC視点から見た業界構造の変化と今後のマイルストーンを整理する。
デジタル庁は2026年6月12日、政府の標準ガイドライン「行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン」を第2.0版へと改定した。初版(2025年5月27日策定、2026年4月1日全面適用)からわずか約1年での大型改定で、最大の変化は「一律禁止」から「動的な統制」への思想転換にある。背景には、自律的にタスクを遂行するAIエージェントの台頭、2025年9月に全面施行されたAI推進法、そして2026年8月から本格適用が始まるEU AI Actなど内外の制度変化がある。本稿では、ガイドラインの基礎から、約18万人規模で動き出した政府AI基盤「源内(げんない)」と国産LLM7モデル
ChatGPT と AI コーディング基盤 Codex を擁する OpenAI が、2025 年通期に約 385 億ドル(約 6.2 兆円)の最終赤字を計上したことが、リークされた監査済み財務書類をフィナンシャル・タイムズが確認する形で報じられた。ただしこの「6.2 兆円」の大半は、2025 年 10 月の営利企業化に伴う一過性の非現金会計費用であり、本業の営業赤字は約 209 億ドル(約 3.3 兆円)、FT が「実態」と位置づける数字は約 80 億ドル(約 1.3 兆円)にとどまる。本稿は、この赤字の「打ち分け」を一次情報から再構成したうえで、アンソロピックの逆転や循環取引、ガバナンスとい
フランス発のAI企業Mistral AIは、創業からわずか2年余りで評価額117億ユーロ(約2兆円)に達し、欧州最大のAIスタートアップへと駆け上がった。その中心にいるのが、Google DeepMindでChinchillaやRETROを手がけた研究者から起業家へ転じたCEOのArthur Mensch(アルチュール・メンシュ)である。本稿では、Mixture of Expertsとオープン・ウェイトという二つの設計思想を軸に、彼の生い立ち・学歴・職歴・創業物語を一次情報から丹念に追い、シリコンバレーのVCがこの「欧州の挑戦者」をどう値踏みしているか、そして今後いつ何が動くのかを統合的に読み
ソフトバンクグループ(SBG)が保有するOpenAI株式を担保に最低60億ドル(約9,600億円)を調達しようとしていたマージンローン(証券担保ローン)の協議が停滞したと、2026年6月10日にBloombergが報じ、SBG株は東京市場で一時10%近く下落した。当初100億ドル(約1兆6,000億円)を目指した計画は5月に40%減額され、それでも貸し手の同意を得られなかった。本稿は「OpenAI株担保の借り入れ」とは何かを具体例から解き明かし、なぜ銀行が二の足を踏んだのか、そしてシリコンバレーのベンチャーキャピタル(VC)がこの一件をどう読み解いているのかを、循環金融・二次流通市場・IPOと
ChatGPTを開発する米OpenAIが、2026年6月8日(米国時間月曜)、米証券取引委員会(SEC)へ新規株式公開(IPO)に向けた登録届出書(S-1)を「非公開(コンフィデンシャル)」で既に提出したと自ら公表した。直近の未公開市場での企業価値は8,520億ドル(約136兆円)にのぼり、実現すれば史上最大級のIPOになる。ただし同社は「上場時期は未定で、当面は非上場のままかもしれない」と明言している。本稿では、この申請の事実関係を複数の一次情報で検証したうえで、「非公開申請」という制度の意味、非営利が営利を支配する特異な企業統治、$3,000億から$8,520億へと一年で膨らんだ資金調達の
Google が 2026年5月19日の I/O 2026 で発表した「Gemini Omni」は、画像・音声・動画・テキストのどんな入力からでも一つの動画を生み出す、ネイティブ・マルチモーダルの新世代モデルである。Veo・Imagen・音声生成を一つのスタックに統合し、重力や流体といった物理法則を内蔵した「世界モデル」として、会話で映像を彫っていく編集体験を実現した。本稿はシリコンバレーのクリエイター視点から、双方向・同時マルチモーダル推論、物理インテリジェンス、Google Flow 統合、Project Astra、ライブ編集という五つの軸で Omni を徹底的に読み解き、実践 TIPS
OpenAI共同創業者にしてAI教育の第一人者アンドレイ・カーパシーが、2026年5月19日にAnthropicへ電撃移籍し、「Claudeを使ってClaude自身の事前学習を加速させる」チームを率いることになった。これはAIがAIを作る「RSI=再帰的自己改善(Recursive Self-Improvement)」の中核に座る人事である。ところが同社は6月初旬、まさにそのRSIを最大のリスクと位置づけ、フロンティアAI開発の「協調的な一時停止」を世界に呼びかける論考を発表した。アクセルを誰よりも強く踏みながら、自らブレーキの設計図を配る――だがこれは矛盾ではない。誰よりも強くアクセルを踏ん