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Physical Intelligence

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Physical Intelligence インフォグラフィック

1. サービス概要

Physical Intelligence(π または Pi)は、ロボットのための汎用的な「人工物理知能(Artificial Physical Intelligence)」を開発するサービス、およびその基盤モデルを提供しています。従来のロボットが特定のタスク(例:溶接、搬送)のみに特化していたのに対し、同社はあらゆるロボットやデバイスを制御できる「汎用ロボット基盤モデル(Robot Foundation Models)」の構築を目指しています。

  • 主な機能: * π0 (パイゼロ): 視覚、言語、動作(Action)を統合したVLA(Vision-Language-Action)モデル。洗濯物を畳む、ゴミを拾う、箱を組み立てるなど、多種多様なタスクを単一のモデルで実行可能。
  • クロス・プラットフォーム制御: ヒューマノイド、多関節ロボットアーム、移動ロボットなど、形態(モルフォロジー)の異なる複数のロボットハードウェアを共通の知能で制御。
  • リアルタイム学習: 強化学習(RL)やフロー・マッチング技術を用い、未知の環境や物体に対しても柔軟に対応。
  • ユーザー数: 2026年3月現在、一般公開されたコンシューマー向けサービスではなく、主にロボットメーカーや研究機関、産業向けパートナーとのB2B展開が主軸。具体的なユーザー数は非公表。
  • 対応プラットフォーム: 特定のハードウェアに依存しないソフトウェアレイヤーとして機能。GitHub等で公開されている「Lerobot」リポジトリなどを通じて、研究者向けにモデルや推論コードを提供。

2. 使用している技術スタック

Physical Intelligenceは、大規模言語モデル(LLM)の学習手法を物理世界のデータに適用するアプローチをとっています。

  • アーキテクチャ: * VLA(Vision-Language-Action)モデル: 視覚情報とテキスト指示を入力とし、ロボットの具体的な関節角度や軌道を生成。
  • Mixture of Experts (MoE): 計算コストを抑えつつ大規模なパラメータを扱うための構造を採用。
  • 生成・推論技術: * Flow Matching(フロー・マッチング): 拡散モデル(Diffusion Models)を進化させた技術で、ノイズから連続的なロボット動作を高速かつ高品質に生成。
  • FAST (Efficient Robot Action Tokenization): ロボットの動作を効率的にトークン化し、学習速度を従来の5倍以上に向上。
  • 学習データ・手法: * マルチソース・トレーニング: 人間のビデオデータ、シミュレーションデータ、実際のロボットの操作ログを統合して学習。
  • オンライン強化学習(Online RL): 現場での試行錯誤を通じて数時間でタスク精度を向上させる。
  • フレームワーク・インフラ: Python, PyTorchをベースとし、OpenAIやGoogle DeepMind出身者が中心となって開発。大規模なコンピューティングリソースとしてGoogle(CapitalG経由)やOpenAIのインフラを活用。

3. 会社概要

  • 運営会社名: Physical Intelligence, Inc.
  • 設立年: 2024年(3月にステルス状態から公開)
  • 本社所在地: アメリカ合衆国 カリフォルニア州 サンフランシスコ
  • 従業員数: 約120名以上(2025年11月時点の推計)

4. 沿革、資本構成、国籍、役員情報

  • 沿革:
  • 2024年3月:Google DeepMindやStanford、UC Berkeleyの研究者らによって設立。シードラウンドで7,000万ドルを調達。
  • 2024年11月:シリーズAで4億ドルを調達。ユニコーン企業(評価額20億ドル超)となる。
  • 2025年11月:シリーズBで6億ドルを調達。評価額は56億ドルに達した。
  • 2026年初頭:より高度な汎用モデル「π0.5」や「π1」を発表し、実世界での実用化を加速。
  • 資本構成: 累計調達額は約10.7億ドル。主な出資者は以下の通り。
  • 主要投資家: Jeff Bezos(Bezos Expeditions), OpenAI, CapitalG(Alphabetの成長ファンド), Thrive Capital, Lux Capital, Bond Capital, Sequoia Capital, Khosla Ventures, Index Ventures。
  • 国籍: アメリカ合衆国
  • 役員情報(主要創業者):
  • Karol Hausman (CEO): ポーランド出身(推定)。元Google DeepMindスタッフ・リサーチ・サイエンティスト。Stanford大学客員教授。ロボットの操作学習の権威。
  • Sergey Levine (Chief Scientist): アメリカ国籍。UC Berkeley教授。深層強化学習とロボティクスの融合における世界的リーダー。
  • Chelsea Finn: アメリカ国籍。Stanford大学准教授。メタ学習および「sim-to-real(シミュレーションから現実への移行)」研究で知られる。
  • Brian Ichter (VP of Engineering): アメリカ国籍。元Google Research。大規模な自律制御システムの開発に従事。
  • Lachy Groom: オーストラリア出身(推定)。元Stripe幹部。著名なエンジェル投資家。