Bergamot
1. サービス概要
Bergamotは、Mozillaが推進するクライアントサイド機械翻訳プロジェクトである。サーバーに翻訳データを送信することなく、ブラウザ内でローカルに翻訳を実行することが最大の特徴である。Firefox Translationsとして実装されており、ユーザーのプライバシーを保護しながらWebページの翻訳を提供する。Marian NMT(高速ニューラル機械翻訳エンジン)をベースとし、WebAssemblyを活用してブラウザ上で効率的に動作する。EU Horizon 2020プログラムの助成を受けて開発された。
2. 使用している技術スタック
- 翻訳エンジン: Marian NMT(C++実装の高速NMTエンジン)
- ブラウザ実行: WebAssembly(WASM)によるクライアントサイド実行
- モデル形式: 量子化されたTransformerモデル(8-bit整数量子化)
- 推論最適化: GEMM(行列演算)の最適化、SIMD対応
- ブラウザ統合: Firefox Translations(Firefox組み込み機能)
- 学習データ: OPUSコーパス、Paracrawlなど
- プログラミング言語: C++、JavaScript
- ライセンス: MPL 2.0(Mozilla Public License)
- 公開プラットフォーム: GitHub
3. 会社概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開発元 | Mozilla Foundation / Mozilla Corporation |
| 研究パートナー | ヘルシンキ大学、エディンバラ大学、カレル大学、Tartu大学 |
| 本社所在地 | 米国カリフォルニア州サンフランシスコ |
| 設立年 | 2003年(Mozilla Foundation) |
| 助成 | EU Horizon 2020プログラム |
| 事業内容 | Webブラウザ(Firefox)、インターネットプライバシー・セキュリティ |
| 組織形態 | 非営利財団(Mozilla Foundation)+営利子会社(Mozilla Corporation) |
4. 沿革、資本構成、国籍、役員情報
沿革
- 2019年: EU Horizon 2020プログラムの助成を受けてBergamotプロジェクト開始
- 2020年: ヘルシンキ大学、エディンバラ大学等の研究機関と連携して開発推進
- 2021年: Firefox Translationsアドオンとして初期版を公開
- 2022年: Marian NMTのWebAssembly移植を完了、ブラウザ内翻訳を実現
- 2023年: Firefox本体にFirefox Translations機能を組み込み開始
- 2024年: Firefox 118以降でネイティブ翻訳機能として正式搭載
資本構成
Mozilla Foundationは非営利財団であり、その完全子会社であるMozilla Corporationが事業運営を担う。主要な収益源はGoogleとの検索エンジンデフォルト設定契約である。Bergamotプロジェクト自体はEU Horizon 2020プログラム(助成番号: 825303)の資金で開発された。
国籍
米国(Mozilla Foundation: カリフォルニア州サンフランシスコ)、研究パートナーはヨーロッパ各国
役員情報
- Mitchell Baker - Mozilla Foundation会長(2024年まで)
- Laura Chambers - Mozilla Corporation CEO(2024年就任)
- Bergamotプロジェクトは複数の大学研究者が参画するコンソーシアム形式で運営
