OpenUSD
公式サイト1. サービス概要
OpenUSD(Open Universal Scene Description)は、3Dシーンの記述・合成・レンダリングのためのオープンスタンダードです。もともとPixar Animation Studiosが映画制作のために開発したUSD(Universal Scene Description)フレームワークをベースに、産業界全体で利用可能なオープン標準として発展しています。デジタルツインや3Dコンテンツ制作のための共通フォーマットとして注目されています。
- 主な機能:
- 3Dシーン記述: ジオメトリ、マテリアル、ライティング、アニメーション、物理シミュレーション等の3Dシーン要素を統一的に記述するフレームワーク。
- コンポジション・アーキテクチャ: 複数のUSDファイル(レイヤー)を合成し、大規模な3Dシーンを構築。非破壊的な編集(Override)により、元データを変更せずに修正・拡張が可能。
- Hydra レンダリングアーキテクチャ: レンダラーとシーンデータを分離する抽象化レイヤー。異なるレンダリングエンジン(RenderMan、Arnold、Vulkan等)を差し替え可能。
- スキーマシステム: 型付きのデータスキーマにより、3Dアセットのメタデータや属性を標準化。カスタムスキーマの定義も可能。
- 産業デジタルツイン: 製造、建築、ロボティクス等の分野で、物理世界のデジタルツインを構築するための基盤フォーマットとして活用。NVIDIAのOmniverse等がUSDをコアフォーマットとして採用。
- ユーザー数:
- 映画・VFX業界(Pixar、Walt Disney、ILM等)、ゲーム業界、製造業、建築・AEC業界で広く採用。NVIDIAのOmniverseプラットフォームのコアフォーマット。Apple Vision ProのvisionOSでも3Dコンテンツフォーマットとして採用。
- 対応プラットフォーム:
- Linux、macOS、Windows。主要DCCツール(Maya、Houdini、Blender等)でサポート。
2. 使用している技術スタック
- 開発言語: C++(コアライブラリ)、Python(スクリプティング・API)。
- アーキテクチャ:
- コアライブラリ(pxr): C++で実装されたUSDコアライブラリ。シーングラフの構築、コンポジション、シリアライズを担当。
- Python バインディング: Boost.Pythonを使用したPython APIにより、スクリプティングやパイプライン統合が容易。
- Hydra: レンダリング抽象化レイヤー。シーンデリゲート(Scene Delegate)とレンダーデリゲート(Render Delegate)の分離により、複数のレンダラーを統一的に扱う。
- ファイルフォーマット: USD(テキスト形式: .usda)、バイナリ形式(.usdc)、パッケージ形式(.usdz: ZIP圧縮で単一ファイルに格納)。
- オープンソース: Apache License 2.0で公開。GitHubリポジトリで開発が進行。
3. 会社概要
- 運営組織名: Alliance for OpenUSD(AOUSD)
- 設立年: 2023年(AOUSD設立。USD自体は2016年にオープンソース化)
- 本部所在地: Linux Foundation傘下の業界団体として運営
- 構成メンバー: Pixar Animation Studios、NVIDIA、Apple、Adobe、Autodesk(創設メンバー)
4. 沿革、資本構成、国籍、役員情報
- 沿革:
- 2012年頃:Pixar Animation StudiosがUSD(Universal Scene Description)の開発を開始。映画制作パイプラインにおける3Dデータの効率的な管理を目的とする。
- 2016年:PixarがUSDをオープンソースとしてGitHubで公開(Apache License 2.0)。映画・VFX業界を中心に採用が広がる。
- 2019年:NVIDIAがUSDをOmniverseプラットフォームのコアフォーマットとして採用。産業応用が加速。AppleがARQuickLookでUSDZ形式をサポート。
- 2020年:NVIDIA Omniverseのベータ版が公開。USDの産業デジタルツインへの応用が本格化。
- 2022年:Apple Vision Proの発表に伴い、visionOSでのUSDZ/USD対応が注目される。3Dコンテンツの標準フォーマートとしての地位が強化。
- 2023年8月:Linux Foundation傘下にAlliance for OpenUSD(AOUSD)を設立。Pixar、NVIDIA、Apple、Adobe、Autodeskが創設メンバー。ISO標準化を目指す活動を開始。
- 2024年:AOUSDによる仕様の標準化作業が進行。MaterialXとの統合、物理シミュレーション向けスキーマの拡充など、産業利用に向けた機能強化が継続。
- 資本構成:
- 非営利の業界団体(Linux Foundation傘下のJoint Development Foundation プロジェクト)。メンバー企業の参加費と貢献により運営。
- 創設メンバー: Pixar Animation Studios(Walt Disney傘下)、NVIDIA、Apple、Adobe、Autodesk。
- その他の参加企業: Intel、ILM、Unity、Epic Games等が参加。
- 国籍: アメリカ合衆国(Linux Foundation所在地に準拠)
- 関連人物:
- Steve May(Pixar CTO): USDの開発を主導してきたPixar技術チームの責任者。AOUSDの設立にも尽力。
- Rev Lebaredian(NVIDIA VP of Omniverse & Simulation Technology): NVIDIAのOmniverseプラットフォームを通じてUSDの産業応用を推進。
- Guido Quaroni(元Pixar VP of Software R&D): USDの初期アーキテクチャ設計に貢献。
