マルハニチロとは何者か ― まず会社の輪郭をつかむ

水産の話を始める前に、この会社が日々の食卓とどれだけ密接かを確認しておきたい。マルハニチロ(2026年3月よりUmios)は、回転寿司や量販店に並ぶマグロ・サケ・エビといった生鮮水産物の調達から、家庭の棚にある「あけぼの」ブランドのさけ缶やサバ缶、DHA入りで知られる魚肉ソーセージ「リサーラ」、ちくわやかまぼこ、冷凍食品、デザート、調味料、さらにはペットフードやサプリメント向けの化成品(DHA・EPA)まで、「魚」を軸にした食の上流から下流までを一気通貫で手がける総合食品企業である。スーパーで一日に何度かはこの会社の製品に触れている、と言っても誇張ではない。
規模も世界屈指だ。英業界誌のランキングでは長年にわたり世界最大級の水産企業として首位級に挙げられ、ノルウェーのMowi(サーモン世界最大)、タイのThai Union(ツナ缶世界最大)、国内のニッスイ(旧・日本水産)と並ぶグローバルプレーヤーである。2026年3月期(2025年4月〜2026年3月)の連結売上高は1兆1,058億円(前期比2.5%増)、営業利益は過去最高の311億円(同2.7%増)に達した。創業以来、漁業・養殖から加工・流通までを自前で握る「バリューチェーン型」の経営が、この会社の最大の強みである。
その145年の老舗が、2026年に社名・本社・経営トップ・事業ポートフォリオを同時に塗り替えた。単なるブランド刷新ではなく、世界の水産資源と消費構造の地殻変動に対する、老舗の生き残り戦略そのものだ。以下、各論に入る。
マルハニチロからウミオス(Umios)へ ― 「第三の創業」の中身

新社名「umios(ウミオス)」は、ルーツである「umi(海)」を起点に、ステークホルダーや社会・地球と「one(一体)」となり、食を通じて地球規模の社会課題を「solutions(解決)」していく、という三語を組み合わせた造語である。新しいパーパスは「For the ocean, for life」、ミッションは「本物・安心・健康な『食』から広がる豊かなくらしとしあわせに貢献」と定められた。新ロゴは「Blue Planet」をコンセプトに、青が海を、白が広がっていく新領域を象徴する。同社はこの転換を、1880年のマルハ創業と1907年のニチロ創業を「第一創業」、両社が2007年に経営統合してマルハニチログループとなった「第二創業」に続く「第三創業」と位置づけている。社名変更の決定は2025年3月24日に発表され、施行は2026年3月1日。グループ各社の改称(物流子会社「Umios Logi」など)は2027年3月末までに順次進める。
象徴的だったのが本社の移転である。2026年2月、本社を江東区豊洲からJR高輪ゲートウェイ駅前の再開発「TAKANAWA GATEWAY CITY」(港区高輪、THE LINKPILLAR 1 SOUTH)へ移した。同社はこの街を「100年先の心豊かなくらしのための実験場」と表現し、多様なパートナーとの協業を通じて「食の新たな可能性」に挑むと宣言する。長く豊洲のランドマークだった直営店「マルハニチロプラザ」は移転先に出店せず、閉店した。3月1日の社名変更当日には、当時の池見賢社長が高輪ゲートウェイ駅の「一日駅長」を務めるイベントも開いている。
なぜ、今変えるのか。改称を主導した池見賢前社長(現・代表取締役会長兼CEO)は、少子高齢化による国内市場の縮小、天然水産資源の減少、国際情勢の不安定化と円安という逆風を挙げ、「今変わらなければ我々に未来はない。そんな強い危機感と覚悟をもって挑んでいる」と語ってきた。社内の納得を得るために、池見氏は前年から国内の約50ある全拠点を自ら回り、社員と座談会形式で対話を重ねたという。統合企業として「足し算から掛け算へ」転じる必要がある、というのがその訴えだった。
VCやブランド論の観点では、この種の社名変更は両刃の剣として論じられている。JBpressは、上場企業の社名変更が2024年だけで70社を超える「流行」であると指摘し、インフロニア・ホールディングスやレゾナック、日本電産からのニデックといった事例を引きながら、株価が5倍以上に化けた成功例と、認知度低下で伸び悩んだ例の分岐点を分析している。実際、研究系メディアresearch.nicoxzは、Umiosの株価が発表翌日こそ上昇したものの、その後は売り圧力に押され、市場は変革の成否に「半信半疑」だと報じた。一方で、製品への愛着から投資する「ファン株主」の存在も指摘されている。会社側は資本市場との対話姿勢も刷新し、2026年1月1日付で1株を3株に分割して投資単位を引き下げ、配当性向30%以上の累進配当を中期方針に据え、社名変更を記念した3年限定の株主優待制度も新設した。

世界一のグローバル水産バリューチェーン

Umiosの真価は、海の資源を獲る・育てる「上流」から、加工して食卓に届ける「下流」までを一社で押さえる垂直統合にある。同社は事業を「水産資源」「食材流通」「加工食品」の3セグメントに整理している。水産資源は漁業・養殖と、北米の豊富な資源を背景にしたすり身など水産物の加工・販売。食材流通は水産物の調達と市場流通に加え、業務用・畜産・農産の商材を顧客起点で提案する商社機能。加工食品は冷凍食品・缶詰・フィッシュソーセージ・ちくわ・デザート・調味料・フリーズドライ・ペットフード・化成品までと幅広い。この「川上から川下まで」を一気通貫で握る構造こそが、同社が「世界一のグローバル水産バリューチェーン」を標榜する根拠である。
その骨格は海外にある。北米では、ワシントン州を拠点にスケソウダラ由来のすり身を手がけるWestward Seafoods(ウェストワード・シーフーズ)やPremier Pacific Seafoods、ベリンガムのTrans-Ocean Products、投資会社Maruha Capital Investmentを擁する。同社のアラスカ進出は1963年の買付拠点設置に遡り、1985〜90年に現地子会社を相次いで設立してベーリング海の資源を安定確保する生産・加工・販売体制を築いた。2024年10月にはWestward SeafoodsがAlyeska Seafoodsを合併し、北米事業を再編している。欧州では、オランダのSeafood Connection Holdingや英国のNorthcoast Seafoods、スペインのInlet Seafishを束ねるMaruha Nichiro Europe Holdingを通じて、調達・加工・販売網を持つ。これらの海外拠点も2027年3月末までに順次「Umios」ブランドへ衣替えしていく。
業績面でも海外が牽引役だ。2026年3月期は欧州での水産物販売が好調で、水産資源セグメントの収益改善とあわせて過去最高の営業利益を押し上げた。ただし海外売上比率は現状でなお25%台にとどまる。同社が2025年3月に掲げた新長期ビジョン(10年後の姿)では、海外経常利益比率70%以上、ROIC(投下資本利益率)7%以上という極めて野心的な水準を目標に据えており、現状とのギャップこそが今後の投資テーマを規定する。中期経営計画「For the ocean, for life 2027」(2026年3月期〜2028年3月期)は、最終年度に営業利益400億円、ROIC5%、成長投資1,400億円以上を掲げる。みなと新聞などの専門紙は、この「グローカル(グローバル×ローカル)」戦略、すなわち海外の調達力と国内の商品開発力を掛け合わせる構図を、改称後の最大の試金石と位置づけている。

クロマグロ完全養殖の縮小 ― 採算の壁と「次の一手」

世界一のバリューチェーンにも、退く局面はある。その象徴がクロマグロの完全養殖だ。日本経済新聞は2025年、マルハニチロが2025年度(2025年4月〜2026年3月)の完全養殖クロマグロの生産量を前年度比で約8割削減すると報じ、別の記事では出荷ベースで約9割減という数字も示した。ニッスイや極洋といった大手も同事業から相次いで撤退し、「マグロ完全養殖はほぼ消滅」とまで書かれる事態となった。
採算が崩れた理由は明快だ。マグロは1キロ太らせるのにおよそ15キロもの餌を要する「大食漢」で、餌となる天然のサバやイワシが不漁で高騰すれば、収益はたちまち圧迫される。加えて、資源管理の成果で天然クロマグロが回復基調に入り、2025年には日本近海の漁獲枠が大幅に拡大、市場価格も落ち着いた(豊洲市場の国内まぐろの2024年平均卸値は1キロ3,879円と前年比6%安)。天然が安く潤沢に獲れるなら、コストの重い養殖物の出番は細る。しかも「完全養殖」は、天然の稚魚を獲って3〜4年育てる通常養殖と異なり、卵から育てて親魚にし、その親が産んだ卵から次世代を育てる。出荷まで5年を要する分、餌代高騰の影響をまともに受ける。
ここで押さえておきたいのは、完全養殖そのものの技術的意義だ。世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功したのは2002年の近畿大学であり、マルハニチロも2010年に民間企業として初めて成功した、いわば資源に依存しない持続可能な水産の到達点である。同社は完全養殖からの「完全撤退」は否定し、市況次第での将来的な再開に含みを残している。縮小はあくまで採算判断であって、技術を捨てたわけではない。
むしろ注目すべきは、培ってきた知見の「振り向け先」だ。第一に、同社は電通と共同で、マグロの尾の断面をAIが瞬時に品質判定する「TUNA SCOPE(ツナスコープ)」を開発し、熟練仲買人の目利きをデータ化してキハダ・メバチ・クロマグロの評価に応用している。第二に、より象徴的なのが細胞性(培養)クロマグロへの展開だ。マルハニチロは2023年8月からシンガポールの培養シーフード企業UMAMI Bioworks(2020年設立)と細胞性水産物の共同研究を進め、2025年5月9日には細胞性クロマグロの共同開発契約を締結。長年の完全養殖クロマグロから採取した細胞を初めて同社に提供し、安定的な細胞株の樹立、生産能力の拡大、承認取得、試験販売という明確なマイルストーンを設定した。海洋資源への負荷を抑えながら良質なタンパク質を安定供給する、という発想である。完全養殖で蓄積した「世界最高水準のクロマグロの遺伝資源」を、採算の合う出口(AI目利きと細胞性食品)へつなぎ替える――縮小の裏側で進む、この資源の再配分こそが読みどころだ。なお業界では、DM三井製糖が2026年から植物性マグロの提供を計画するなど、代替マグロを巡る競争自体は静かに広がっている。
伸びる微細藻類由来DHA ― 「魚を獲らない魚油」への転換

クロマグロ養殖が直面した「餌の壁」と、もう一つの新規事業は深いところでつながっている。健康成分として知られるDHAは従来、イワシやアンチョビなどの魚油から採られてきた。だが、その魚油の原料こそ、養殖の餌と競合する小型浮魚(フォーレッジフィッシュ)である。資源と価格の不安定さは、DHA事業にとっても同じリスクなのだ。
そこでマルハニチロは2024年6月26日、カナダ・ノバスコシア州ハリファックスの微細藻類メーカーMara Renewables(マラ・リニューアブルズ)と業務提携契約を締結し、日本市場向けに同社の藻由来DHAの供給を独占的に受けることを決めた。藻由来DHAは、DHAを作る微細藻類そのものを陸上施設で培養して直接抽出するため、魚油由来と起源も構造もまったく同じでありながら、海洋汚染や水産資源の枯渇リスクを避けられ、安定供給が利く。Mara社が持つ藻由来DHA抽出の特許技術と、マルハニチロが磨いてきたDHAの無臭化技術を掛け合わせ、健康食品・乳児用粉ミルク・飲料といった一般食品への供給を加速する。将来はアジア・オセアニア地区での合弁工場建設も視野に入れる。家庭向けにも、看板商品の魚肉ソーセージ「リサーラ」を「Umios DHA入りリサーラソーセージω(オメガ)」として展開するなど、藻由来DHAは早くも製品化が進んでいる。
この市場は明確な成長分野だ。調査会社Mordor Intelligenceは、藻類オメガ3原料の市場規模を2026年に約15.6億ドル(約2,300億円)、2031年に約27.3億ドル(約4,100億円)、年平均成長率(CAGR)11.7%程度と見積もる。需要の約52%をDHAが占め、乳児用粉ミルクへの配合義務化や認知機能訴求が追い風だ。プレーヤーも出揃ってきた。蘭DSM-Firmenichと独Evonikの合弁Veramaris(ヴェラマリス)は約2億ドル(約300億円)を投じた米ネブラスカ工場で藻油を生産し、2024年後半には産出量を61%増やしたと公表。蘭CorbionはAlgaPrime DHAなどで中国の規制承認を取得し、養殖飼料・人向け栄養の両面で攻勢をかける。
VCの視点で見逃せないのが、Mara社への資金流入だ。同社は2025年7月23日、サステナブル投資に特化したS2G Investmentsから910万ドル(約14億円)を調達したと発表。乳児用粉ミルク、サプリメント、機能性食品、動物用、養殖飼料へと用途を広げ、世界人口の約85%が不足するとされるオメガ3の供給ギャップを埋めにいく。Mara社は2024年に、推定67億匹分のアンチョビをサプライチェーンから不要にするだけの藻由来DHAを生産したという。先述の通り、その67億匹のアンチョビこそ、かつてクロマグロ養殖の採算を崩した小型浮魚にほかならない。「魚を獲らずに魚由来の栄養を作る」という転換は、Umiosが化成品(ファインケミカル)事業の持続可能性を高める成長の柱であると同時に、自社の養殖事業が抱えた構造課題への回答にもなっている。

安田大助という経営者 ― 学歴と職歴、そして「つなぐ」

この転換期に執行のかじ取りを担うのが、2026年4月1日付で代表取締役社長執行役員兼最高執行責任者(COO)に就いた安田大助氏である。1961年9月2日、神奈川県生まれの64歳。早稲田大学教育学部教育学科を卒業し、1985年4月に大洋漁業(現Umios)に入社した、生粋の「生え抜き」だ。
象徴的なのは、社会人としての第一歩である。安田氏は入社後、北欧のアマエビ(甘エビ)などエビの担当からキャリアを始めた。北の海の小さなエビを商う現場から出発し、水産物の調達・販売という同社の心臓部を歩いてきた。2014年4月に水産第一部長、2020年4月に執行役員、2022年4月に常務執行役員、2025年4月に専務執行役員、同年6月に取締役と階段を上り、海外戦略部門の責任者を務めたうえで社長に就いた。海外強化を掲げる新体制において、水産物調達の現場と海外戦略の双方を知る人物がトップに立った意味は小さくない。
その人物像のキーワードは「つなぐ」だ。専門紙のプロフィール記事でも、既存事業や国、グループ会社の枠を超えて人と人、事業と事業を結びつける姿勢が紹介されている。社長就任会見でも安田氏は、「既存事業や国、グループ企業の枠を超え、個人個人の力を掛け合わせて新たな力を生み出す流れを作りたい」と述べ、組織横断の「ワンチーム」経営を掲げた。これは前任の池見氏が訴えた「足し算から掛け算へ」を実務に落とし込む言葉でもある。
新体制は二人三脚だ。池見賢氏は1981年入社で2020年から社長を務め、2026年4月に代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)へ。グループ経営全体の監督とガバナンス強化を担う。一方の安田氏はCOOとして、経営戦略の立案と事業ポートフォリオの管理、投資判断といった業務執行を統括する。監督(CEO)と執行(COO)を明確に分け、意思決定のスピードと質を高める狙いで、社長交代は6年ぶり、社名変更に合わせた節目の人事となった。

VC・各紙はどう報じ、どう評価しているか

この一連の動きは、国内外の多様なメディアとVCの関心を集めている。日本経済新聞・食品新聞・みなと新聞・日刊水産経済新聞といった国内紙は、社名変更・人事・決算・養殖縮小を逐次追い、President誌は池見前社長の全国行脚と危機感を、Seafood Legacyのトップ対談は科学的根拠に基づく資源管理や電子トレーサビリティ、IUU漁業対策といったサステナビリティの文脈で改称を位置づけた。海外でも、SeafoodSource、Undercurrent News、IntraFish、Aqua Culture Asia Pacificなどの水産専門メディアが「Maruha Nichiro becomes Umios」を大きく報じ、世界最大級の水産企業の脱・水産依存とソリューション企業化を、グローバル業界の関心事として扱っている。
投資家サイドの評価は、現時点では「期待と懐疑の併存」だ。research.nicoxzが伝えるように、市場は社名変更を好感しつつも、それが象徴的施策に終わるのか実質的な経営改革に結びつくのかを見極めようとしており、株価は一進一退にある。ブランド論の専門家は、広く浸透した「マルハニチロ」という資産を手放すリスク(移行期の認知度低下)を指摘する。
一方、VCの大きな潮流――「ブルーエコノミー(持続可能な海洋経済)」と「サステナブル・プロテイン」への投資テーマ――から見ると、Umiosの方向性は時流に合致している。気候変動と乱獲で天然資源の先行きが不透明になるなか、細胞性シーフードや微細藻類由来栄養素には世界的に資金が向かっている。培養魚ではUMAMI Bioworks(シンガポール)に加え、米BlueNaluやWildtype、ウナギのForsea(イスラエル)などが先行し、藻類オメガ3ではMara社へのS2G Investmentsの出資が示すように専門VCが資本を入れている。注目すべきは、145年の老舗であるUmiosが、これらの新領域を自前のR&Dだけで賄うのではなく、Mara社やUMAMI Bioworksとの提携、すなわちコーポレート・ベンチャリングに近い形で外部の尖った技術を取り込んでいる点だ。巨大バリューチェーンの調達・加工・販売網を「出口」として提供できることが、スタートアップ側にとっての提携妙味であり、ここに既存大手とVC・新興企業の利害が噛み合う。
課題と今後の展望 ― いつ、何が動くのか

課題は三層にわたる。第一にブランドと実行の課題。「Umios」を消費者・取引先にどこまで浸透させ、改称を実利(海外成長と新規事業の収益化)に変換できるかが問われる。第二に構造目標とのギャップ。海外売上比率25%台から「10年で海外経常利益比率70%」へ跳ぶには、北米・欧州での追加M&Aと投資、為替・関税・地政学リスクの管理が不可欠だ。第三に資源・気候リスク。漁獲量の変動、餌料コスト、世界的なタンパク質需要増という外部環境は、従来の延長線上では立ち行かない。
今後、いつ何が動くか。直近では、改称した子会社群の名称統一が2027年3月末までに完了する。業績では、2027年3月期に営業利益320億円(前期比2.6%増)と3期連続増益を見込む一方、純利益は政策保有株売却益の反動で減益となる見通しで、2028年3月期(中計最終年度)の営業利益400億円・ROIC5%、そして10年ビジョンの海外経常利益比率70%・ROIC7%が、達成度を測るマイルストーンとなる。新規事業では、Mara社とのアジア・オセアニア合弁工場の具体化と藻由来DHA製品の拡販、UMAMI Bioworksとの細胞性クロマグロが掲げる細胞株樹立・生産拡大・承認取得・試験販売の進捗が、今後数年の試金石だ。クロマグロ完全養殖についても、餌価格と天然相場次第で「縮小」から「再開」へ針が振れる可能性が残る。次の本決算(2027年5月見込み)と各四半期開示、そして中期経営計画の各年度実績が、この「第三の創業」が象徴に終わるか実体を伴うかを、淡々と検証していくことになる。