次世代型タンデム太陽電池量産技術実証事業とは何か

カネカ、次世代型タンデム太陽電池量産技術実証事業が、グリーンイノベーション基金事業(GI基金)に採択 - 次世代型タンデム太陽電池量産技術実証事業とは何か - 章扉

この事業を理解するには、三つの入れ子構造を順に見ていくのが早い。いちばん外側が「グリーンイノベーション基金事業」、その内側に「次世代型太陽電池の開発」というプロジェクトがあり、さらにその内側に四つの研究開発内容が並ぶ。カネカが採択されたのは、四つ目の「次世代型タンデム太陽電池量産技術実証事業」である。

いちばん外側のGI基金は、2020年10月の「2050年カーボンニュートラル」宣言を受けて、経済産業省がNEDOに総額2兆円の基金を造成したものだ。研究開発から実証、社会実装までを最長10年間、切れ目なく支援する点が従来の補助金と違う。その後、令和4年度第2次補正予算で3,000億円、令和5年度当初予算で4,564億円が積み増され、基金の規模は約2兆7,500億円に達している。

その中の「次世代型太陽電池の開発」プロジェクトは、予算上限1,051億円という枠を持つ。NEDOのGI基金特設サイトによれば、2050年時点のCO2削減効果は約5.4億トン/年、経済波及効果は約17.6兆円と見積もられている。目的は明快で、平地の少ない日本で、耐荷重の小さい工場の屋根やビルの壁面といった「これまで太陽光パネルを置けなかった場所」に設置できる電池を作ることにある。プロジェクトは、産業技術総合研究所が担う基盤技術開発、積水化学工業・東芝・エネコートテクノロジーズ・アイシン・カネカの5社が取り組んだ単接合実用化事業(いずれも2025年度で終了)、積水ソーラーフィルム・東京電力ホールディングス・リコー・パナソニックホールディングス・エネコートテクノロジーズが担う単接合実証事業、そして今回のタンデム量産技術実証事業という四層で構成されている。

タンデム事業は2025年9月29日の計画改定で追加された新しい枠だ。NEDOは2025年10月3日から11月17日正午まで公募を行い、応募2件のうち2件を採択した。実施体制の決定は2026年2月6日で、同日、NEDOはプレスリリースを出している。予算はNEDO支援規模で上限153.3億円、ただし最初の3年程度の期間の上限は123.2億円とされた。事業期間は2025年度から2030年度までの6年間である。

採択された2テーマの中身は、NEDOが公開した別紙で確認できる。長州産業(山口県山陽小野田市)が「ペロブスカイト-Siタンデム太陽電池量産技術開発」、カネカが「高性能タンデム型ペロブスカイト太陽電池技術開発とその技術実証」だ。NEDOのGI基金特設サイトでは、それぞれ「大面積成膜プロセスに基づくペロブスカイト-Siタンデム太陽電池モジュール量産化技術開発」「高効率、高信頼性タンデム型ペロブスカイト太陽電池量産技術開発」というより具体的な名称でも掲載されている。事業概要資料によれば、この2テーマ合計の事業規模は約128億円、支援規模は約94億円(インセンティブ額を含む採択予定額)で、補助率は助成2/3または1/2とされた。

課される目標は決して緩くない。1平方メートル以上の太陽電池モジュールで変換効率30%以上を達成し、住宅用発電コストを12円/kWh以下にする。さらにNEDOは「2030年度までに500MW以上の規模の量産化構想を有する企業2社を採択した」と明記しており、量産の絵が描けていることが採択の前提条件になっている。実証は屋根設置、地上設置に加えて営農型まで想定されている。

技術的に何が難所なのかも、NEDOの事業概要資料は率直に列挙している。トップセルとボトムセルの間に挟む中間層の最適化、平坦でないボトムセル表面へペロブスカイト層を塗る技術の開発、ボトムセル相当の耐久性の確保、そしてモジュール化技術の開発である。この4項目が、後述するカネカの課題そのものになる。

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タンデム太陽電池をやさしく解説する ― なぜ「重ねる」と効率が上がるのか

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太陽電池は、太陽光に含まれるすべての波長を等しく電気に変えられるわけではない。半導体には「バンドギャップ」と呼ばれる固有のエネルギーの段差があり、それより弱い光(長波長)は素通りしてしまい、それより強い光(短波長)は余ったエネルギーが熱として捨てられる。結晶シリコンのバンドギャップは1.12電子ボルトで、この一枚の材料だけで太陽光を受け止める限り、理論的な変換効率の上限は29.1%程度にとどまる。カネカの研究者が応用物理学会誌に寄せた解説によれば、実際の結晶シリコン太陽電池はセル変換効率26.7%まで到達しており、理論限界に肉薄している。

そこで考えられたのが積層、すなわちタンデムだ。上に短波長を吸うバンドギャップの広い材料を置き、下に長波長を吸う材料を置けば、太陽光のスペクトルを二段階に分けて刈り取れる。ペロブスカイトはバンドギャップを組成で自在に調整できるため、この「上の層」に最適な材料として世界中で研究されてきた。単接合の理論上限がおよそ33.7%(ショックレー・クワイサー限界)であるのに対し、結晶シリコンとペロブスカイトを重ねた2接合の理論上限は43%程度まで跳ね上がる、というのがLONGiの説明である。

ただし、重ねれば自動的に良くなるわけではない。実用的な「2端子タンデム」では、上下のセルが電気的に直列につながる。直列回路の電流は弱いほうに引きずられるため、上下のセルが発生する電流をぴったり揃える「電流マッチング」が必須になる。上のペロブスカイト層を厚くしすぎれば下のシリコンに光が届かず、薄くしすぎれば上が電流不足になる。カネカの技術者はこの設計を光学シミュレーションで詰め、中間層の屈折率と膜厚を最適化することで両者の電流を釣り合わせる手法を報告している。

もうひとつ厄介なのが、下のシリコンセルの表面形状だ。結晶シリコン太陽電池は反射を減らして光を閉じ込めるために、表面にミクロン単位のピラミッド状の凹凸(テクスチャ)を刻んである。ところがペロブスカイトは溶液を塗って作るのが基本で、凹凸の上に数百ナノメートルの薄膜を均一に塗るのは至難の業だ。NEDOが課題として「平坦でないボトムセル表面へのペロブスカイト層の塗布技術の開発」を挙げたのは、まさにこの点である。凹凸を潰して平坦にすれば塗りやすくなるが、今度は光閉じ込めが効かなくなって効率が落ちる。このトレードオフをどう解くかが、量産技術の核心にある。

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カネカが持ち込んだ手札 ― ヘテロ接合の世界記録、32.6%のセル、瓦と3D曲面

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カネカがこの事業に持ち込んでいるのは、ボトムセル側の圧倒的な蓄積である。同社の主力は「ヘテロ接合型結晶シリコン太陽電池」で、結晶シリコンの表面をアモルファスシリコンの極薄膜で覆い、界面の欠陥を消して電圧を稼ぐ構造だ。2016年にNEDOとの共同研究として実用サイズ180平方センチメートルのセルで26.33%を達成し、翌2017年8月25日には受光面の電極をすべて裏側に回した「ヘテロ接合バックコンタクト型」で26.63%を記録した。この値はNature Energyに発表され、国際的な効率テーブル(Solar cell efficiency tables 第50版)にも収録された。前掲の応用物理学会誌の解説が「カネカが結晶Si太陽電池における世界記録を有する」と書いているのは、この記録を指している。

タンデム化の成果も出ている。カネカは2025年5月27日の経営計画説明会で、ペロブスカイト/ヘテロ接合結晶シリコンのタンデムセルにおいて、面積1平方センチメートルでセル変換効率32.6%を達成したと開示した。測定は欧州委員会共同研究センターのESTI(European Solar Test Installation)による。同社が現行製品より2割以上の出力向上を確認しているという水準だ。

製品の形も、他社と明確に違う。NEDOが公開した事業概要資料には「ペロブスカイト/Siタンデム瓦一体モジュール(提供:カネカ)」という写真が載っている。屋根に後付けするパネルではなく、屋根材そのものを発電体にする発想だ。加えて同社は約80センチ×65センチの3D曲面モジュールを開発しており、2026年5月27日から29日にパシフィコ横浜で開かれた「人とくるまのテクノロジー展2026 YOKOHAMA」でセル変換効率32.6%の3D曲面ペロブスカイトタンデム太陽電池を公開している。カネカの太陽電池はすでにトヨタ自動車の「プリウスPHEV」に採用され、東京都の都有施設における建材一体型太陽光発電設備のモデル事業にも使われており、平面パネル以外の出口を持っている点が同社の特徴になっている。

2026年2月6日に出したカネカ自身のリリースは、実証の対象を「屋根・壁などの住宅(ZEH)・ビル(ZEB)向け」と定義し、将来的に40%以上の高効率化に挑戦して従来の結晶シリコンより低い発電コストを実現し、2028年度にタンデム型ペロブスカイト太陽電池の製品販売を開始する計画だと述べた。日本経済新聞は2026年2月12日にこの計画を報じている。

採択の翌月には実物が屋外に出た。カネカは2026年3月18日、さいたま市本庁舎の敷地内にタンデム型ペロブスカイト太陽電池モジュール2枚を設置し、公共施設として国内初となる屋外実証を開始した。モジュールのサイズは約995ミリ×約1085ミリで、面積にすると約1.08平方メートル。GI基金が課す「1平方メートル以上」という条件をぎりぎり満たすサイズが、すでに屋外に立っていることになる。実証期間は2027年3月26日まで約1年間で、発電性能と耐久性能を検証し、発電した電力は蓄電池に充電して非常時の独立電源システムとして活用される。

なお、カネカは40%という数字も掲げているが、2接合の実験室最高値が後述する35.5%であることを踏まえると、これは2接合の延長線上ではなく多接合を含む長期の目標と読むのが自然だ。実際、同社はNEDOの別事業(2023年7月〜2025年3月)でペロブスカイト2層と結晶シリコンからなる三接合タンデムに取り組み、大阪大学・電気通信大学・岐阜大学・物質・材料研究機構と組んで、変換効率35%を見通す設計指針を提示している。

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カネカ、創業から現在までの歩み

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カネカの出発点は敗戦後の企業再建にある。有価証券報告書の沿革によれば、同社は1949年9月1日、鐘淵紡績株式会社の企業再建整備計画の認可に基づいて分離独立し、繊維部門以外の全事業を譲り受けて資本金2億円で設立された。同年10月には東京証券取引所などに上場している。当初はか性ソーダ、搾油、石鹸、食油、酵母、食品、洋紙、和紙、エナメル電線、化粧品、澱粉と、脈絡がないほど多岐にわたる事業を抱えていた。

そこから半世紀かけて、事業は合成樹脂を軸に組み替えられていく。1950年7月に塩化ビニル樹脂、1957年7月にアクリル系合成繊維「カネカロン」、1965年7月に発泡スチレン樹脂、1970年4月に押出法発泡ポリスチレンボード。1970年11月に鹿島工場が竣工し、同年12月にはカネカベルギーN.V.を設立して欧州に橋頭堡を築いた。1977年10月には医薬品バルクとしてユビデカレノン(コエンザイムQ10)の製造を開始する。これが後に、同社を健康食品素材の世界的サプライヤーに押し上げる。1984年10月に超耐熱ポリイミドフィルム、1986年4月に医療機器と、素材から機器へ、化学から生命科学へと領域を広げてきた。

太陽電池は1980年に研究へ着手している。化学メーカーの強みが活きるという判断からアモルファスシリコンに的を絞ったのが、その後の技術系譜を決めた。1998年10月に子会社カネカソーラーテック株式会社を設立し、1999年10月に電力用太陽電池の製造を開始する。2001年には世界で初めて薄膜シリコンハイブリッド太陽電池を実用化した。この「薄膜を精密に積む」という技術の血統が、ヘテロ接合結晶シリコンへ、そして今回のペロブスカイトタンデムへとつながっている。カネカがJBpressの取材に「40年来の薄膜技術を活用」と語ってきたのは、この連続性を指している。

社名が「鐘淵化学工業株式会社」から「株式会社カネカ」に変わったのは2004年9月だ。2016年1月にセメダイン株式会社を公開買付けで子会社化し(2022年8月に完全子会社化)、2017年4月には事業部門を「Solutions Vehicle(SV)」と呼ぶ組織に改称し、10のSVを4つの「Solutions Unit(SU)」に束ねる体制へ転換した。太陽電池は、Quality of Life Solutions Unitの中の「PV & Energy management」というSVに位置づけられている。2022年4月には東証プライム市場へ移行し、2024年8月に北海道苫東工場を開設、同年12月にはイスラエルのEndoStream Medicalを子会社化した。

現在の代表取締役は菅原公一会長と藤井一彦社長の2名で、藤井社長は副社長から昇格して2024年4月に就任した。2026年3月期の連結売上高は8,116億円、営業利益329億円、経常利益289億円、親会社株主に帰属する当期純利益は310億円で純利益は過去最高だった。設備投資は540億円、研究開発費は399億円、連結従業員数は11,762名、連結子会社は91社にのぼる。

直近の業績は好調だ。2026年8月13日に発表した2027年3月期第1四半期(4〜6月)は、売上高2,230億円(前年同期比12.3%増)、営業利益149億円(同83.1%増)、経常利益137億円(同2.3倍)、純利益89億円(同2.1倍)と、四半期ベースで売上高・営業利益ともに過去最高を更新した。汎用樹脂の価格改定の浸透と、医療機器・サプリメントの販売拡大が牽引した形だ。太陽電池を含むQuality of Life Solutions Unitは売上高538億円(前年同期485億円)、営業利益70億円(同52億円)で、決算説明資料はPV & Energy managementについて「1Q実績:国内戸建て住宅向け高効率太陽電池の販売堅調」「2Q以降:タンデム型ペロブスカイト太陽電池の量産技術開発を推進」と記している。通期予想は売上高8,200億円、営業利益360億円、経常利益320億円、純利益315億円、年間配当210円で据え置かれた。株価は決算翌日の8月14日に6,570円まで買われ、株式新聞は「20年ぶり高値」と報じている。

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強み ― 国内で唯一「セルからモジュールまで」を持ち、採択が税制上の資格を伴う

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カネカの強みは三つに整理できる。

第一に、ボトムセルを自前で持っていることだ。ペロブスカイト単接合に取り組むプレイヤーの多くは、タンデム化する際にシリコンセルを外部から調達しなければならない。カネカは高効率のヘテロ接合セルを自社で作れるうえ、製造子会社のカネカソーラーテック(兵庫県豊岡市、1998年10月設立)は自社サイトで「国内では発電セルから太陽光パネルまでを一貫して生産しているのは当社のみ」(2024年1月現在)と明記し、年間120MW(約4万軒分)の生産能力を掲げている。タンデムの設計は上下セルの電流マッチングと中間層で決まるため、上下を同時にいじれることは決定的な優位になる。同社は2024年度にシリコン型太陽電池の生産能力を当時比3倍以上に引き上げる方針を日刊工業新聞に語っていた。

第二に、出口が平面パネルに限られていないことだ。瓦一体型、建材一体型、3D曲面の車載向けと、意匠と形状で価値を出せる市場を持っている。フラットな大型パネルの価格競争は中国勢の土俵だが、瓦や曲面は施工と保証を含めた総合力の勝負になる。カネカが実証対象を住宅(ZEH)とビル(ZEB)に絞ったのは、この土俵を選んだということでもある。

第三が、意外に見落とされやすい税制上の効果である。2026年4月の資源エネルギー庁資料によれば、再生可能エネルギー発電設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置は、太陽光についてシリコン系を対象外とした上で、ペロブスカイト太陽電池を新たに対象に加えた。課税標準は2分の1(自治体が3分の1〜3分の2の範囲で設定できる「わがまち特例」付き)で、適用期限は令和11年3月31日まで延長され、適用期間も2年から3年に長期化された。そしてこの特例の対象は「GI基金の採択事業者の生産品に限る」と明記されている。つまりGI基金の採択は、開発資金の獲得であると同時に、将来の販売時点で製品に付く税制上の資格でもある。既存のシリコン系が特例から外された以上、カネカにとってこの資格が効くのはタンデム製品だけだ。

需要側の環境も整いつつある。政府は次世代型太陽電池戦略で2040年に約20GWの導入を掲げ、これを第7次エネルギー基本計画に盛り込んだ。官民協議会には172の自治体が参加している。2026年6月18日には環境省の連絡会議が政府保有施設への導入目標を決め、2040年度に100MW(10万kW)以上、2035年度の中間目標として50〜70MW以上を、屋上・外壁・窓面に設置するとした。東京都は2035年に約1GW、2040年に約2GWの都内導入目標を掲げ、民間事業者への設置費用10分の10補助を打ち出している。令和8年度予算では導入計画策定支援と合わせて総額70億円が計上された。省エネ・非化石転換法の省令改正(令和8年4月1日施行)により、事業者は工場等の屋根への太陽光導入目標を作成し、設置状況と設置余地を国に報告する義務を負う。国が「支援する側」から「買う側」「置かせる側」に回り始めている。

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課題 ― 記録の主戦場はすでに海外にあり、1cm²と1m²の距離は遠い

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一方で、直視すべき事実も並ぶ。

まず、効率記録の主戦場はもはや日本ではない。LONGiは2026年7月、結晶シリコン-ペロブスカイトタンデムセルで35.5%を達成したと発表した。認証はカネカの32.6%と同じESTIである。同社は2023年に33.9%、2024年に34.6%、2025年4月にNREL認証で34.85%と刻み、35.2%は第68版の効率テーブルに収録された。単接合でも、LONGiは2025年4月にHIBC(ヘテロ接合バックコンタクト)セルでISFH認証27.81%を達成しており、これはカネカが2017年に打ち立てた26.63%と同じアーキテクチャの延長線上にある。カネカが切り拓いた構造で、いまは中国メーカーが記録を更新している。

次に、1平方センチメートルと1平方メートルの距離が遠い。GI基金が求めるのは1平方メートル以上のモジュールで30%だが、カネカの32.6%は1平方センチメートルのセルの値だ。大面積化に伴う効率低下はペロブスカイトの構造的な弱点で、NEDO自身が「大型化の際の変換効率などの性能低下が課題」と書いている。参考までに、モジュールレベルの実績で先行するOxford PVは住宅サイズのモジュールで26.9%、Trinasolarは210ミリ×105ミリのタンデムセルを使った3.1平方メートルのモジュールでTÜV SÜD認証808Wを達成しており、いずれも30%には届いていない。

第三に、耐久性である。GI基金の研究開発・社会実装計画は、タンデム型について「シリコン太陽電池相当の耐久性(20年程度)」を求めている。ペロブスカイトは水分・酸素・熱・紫外線に弱く、20年の屋外耐久を実証するには物理的に時間が要る。Hanwha Qcellsは2025年5月、2端子ペロブスカイト-シリコンタンデムモジュールがIEC 61215-2:2021およびUL 61215-2:2021のストレス試験(紫外線前処理15kWh/m²、温度サイクル200回、湿潤凍結10回、高温高湿1,000時間)を通過したとTÜV Rheinlandの確認を得て発表した。同社CTOのダニエル・マーフェルドは「タンデム特有の出力測定上の制約を考慮したうえで、タンデムモジュールがこれらのストレス試験を通過した最初の報告だ」と述べている。裏を返せば、業界全体が加速試験の入口にようやく立ったところであり、カネカのさいたま市実証が2027年3月まで1年かけて取るのは、その入口のさらに手前の実データということになる。

第四に、コストだ。12円/kWhという目標の重さは、政府自身が認めている。研究開発・社会実装計画は、既存の太陽電池が約30年の研究開発で1992年の約1,000円/Wpから2020年の120円/Wpまでコストを下げてきたことを引き合いに、それを10年で達成しようとする目標を「極めて野心的」と二度にわたって記述し、技術成熟度をTRLレベル4(実験室で課題の解決方法を模索している段階)と位置づけている。さらに、タンデム型については「産業用や地上設置用の事業展開を考える場合は12円/kWhを大きく下回る水準での発電コスト目標を目指す」とも書かれており、住宅の外に出るならハードルはさらに上がる。

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業界の状況と競合 ― 国内は用途で棲み分け、国外は規模で殴り合う

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国内は、意外なほどきれいに用途で棲み分けている。フィルム型で先頭を走るのが積水化学工業だ。2025年1月6日に積水化学86%・日本政策投資銀行14%の出資で積水ソーラーフィルム株式会社を設立し、シャープの本社工場(大阪府堺市)の建物・設備を譲り受けて900億円を投じ100MWの生産ラインを建設、2027年4月の稼働を予定している。GW級までを含む総投資額は約3,150億円で、経済産業省のGXサプライチェーン構築支援事業により半額が補助される。2026年3月にはフィルム型ペロブスカイト「SOLAFIL」の販売を開始した。

その積水化学が事業計画を見直している事実は重い。朝日新聞の報道によれば、同社は2030年度に売上高1,500億〜2,000億円としていた想定を1,000億円に引き下げた。清水郁輔社長は「競争力があるものをしっかりつくる方が大事だ」と述べ、既存の太陽電池と同等の発電コストを早く実現することを優先すると説明している。日刊工業新聞によれば、同社は2026年度に現有設備で1メートル幅製品の納品を開始し、2027年度に100MWライン稼働、2028年度に第1ラインがフル稼働して黒字転換する見込みを示している。

このほか、パナソニックホールディングスはAGCと組んでガラス型の建材一体型を、リコーは大和ハウス工業・NTTアノードエナジーと組んでインクジェット印刷によるロール・トゥ・ロール製造を、エネコートテクノロジーズは日揮・KDDI・豊田合成・YKK APらと設置自由度の高いフィルム型を手がける。資源エネルギー庁の資料は、これら2030年度に年間製造能力200〜300MW以上の量産構想を持つ3社が積水化学を追う構図だと整理している。アイシンは薄ガラス型で2026年8月6日に単接合実証事業に採択された。タンデムの枠では、長州産業がカネカと並走する。長州産業は1平方メートル以上のモジュールで変換効率30%以上、耐久性20年以上を掲げ、野立て太陽光のリパワリング需要を狙う。カネカが住宅・ビルの屋根と壁、長州産業が地上設置という役割分担が読み取れる。

国外は様相が違う。中国のGCL傘下、協鑫光電(GCLペロブスカイト)は江蘇省昆山市に年産500MW規模の設備を整え、日刊工業新聞の2026年4月8日の報道によれば、2026年7月をめどにタンデム型の量産販売を中国と日本で開始する計画を示した。最高効率28%、価格は1ワット当たり2.5元(同紙の記事時点の換算で約58円)、製品保証10年・出力保証25年で、2026年に100MW程度、2027年に400MWへ拡大し、日本市場向けは全供給量の約5%を予定するという。単接合ではUtmoLight(極電光能)やHangzhou Microquanta(杭州繊納光電)がすでにGW級ラインを稼働させている。欧州ではOxford PVがドイツ・ブランデンブルクの100MW工場からタンデムモジュールの商用出荷を始め、2025年4月にTrinasolarと特許ライセンス契約を結んだ。韓国のHanwha Qcellsはフルエリアの M10 サイズセルで28.6%(2024年12月、Fraunhofer ISE CalLab検証)を記録している。米国ではTandem PVが2025年3月にEclipseをリード投資家として5,000万ドル(約80億円)のシリーズAとデットを調達し、Swift Solarは2024年末に2,700万ドル(約43億円)を確保、CaeluxはプエルトリコのソーラーモジュールメーカーSolxやインドのRayzon Solar・Navitas Solarと提携して量産の受け皿を作っている。

ただし、記録と量産は別物だ。pv magazineによれば、LONGiは2026年6月時点で「結晶シリコン-ペロブスカイトタンデムセルの量産計画は現時点でない」と述べ、大面積成膜、歩留まり、封止、長期安定性、コスト低減にさらなる開発が必要だとしている。35.5%を持つ企業が量産に踏み込んでいないという事実は、この分野の実相をよく表している。

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サプライチェーン ― ヨウ素という上流の切り札と、製膜装置という弱点

カネカ、次世代型タンデム太陽電池量産技術実証事業が、グリーンイノベーション基金事業(GI基金)に採択 - サプライチェーン ― ヨウ素という上流の切り札と、製膜装置という弱点 - 章扉

ペロブスカイト太陽電池の主原料はヨウ素だ。資源エネルギー庁の資料によれば、日本はヨウ素の産出量で世界第2位、シェアは30%を占める。日刊工業新聞によれば、メーカー別では伊勢化学工業が世界シェア15%、合同資源(千葉県長生村)が7%、K&Oヨウ素(千葉県白子町)が5%を持つ。千葉県の地下かん水から汲み上げる資源が、次世代太陽電池の上流を握っているという構図である。伊勢化学工業と稀産金属は、ヨウ化鉛などペロブスカイト向け原材料の調達から販売までの一貫体制構築で基本合意しており、素材からデバイスまで国内で完結させる動きが出ている。シリコン系太陽電池でポリシリコンから ウエハー、セル、モジュールまで中国が世界シェアの8割超を握り、ポリシリコンとウエハーは今後数年で95%に達するとIEAが見通してきた歴史を踏まえれば、上流に自国資源を持つ意味は小さくない。

もっとも、サプライチェーン全体で見れば日本の位置は限定的だ。資源総合システムがNEDOの成果報告会向けに整理した資料(2025年3月時点)によれば、封止材では東レ、麗光、クラレ、MORESCOといった日本勢が並び、金属電極ペーストでは東洋アルミニウムと京都エレックス、前駆体・化学品ではGSアライアンス、東京化成工業、日本精化、ハイケム、三菱マテリアルが名を連ねる。一方で製膜装置になると、S.C New Energy Technology、J.S.Machine/SC-Solar Equipment、Zhongneng Optoelectronics、RenShine Solar、Boamax Technologies、Suzhou Horad New Energy Equipmentと中国勢がずらりと並び、これにSingulusとVon Ardenne(ドイツ)、Evolar(スウェーデン)、M. Braun(ドイツ)が続く。日本勢はサムコが挙がる程度だ。装置を押さえられれば、量産のスピードとコストは他国の設備投資サイクルに従属する。次世代型太陽電池戦略が「サプライチェーン全体で、製造装置を含め技術・人材の両面から戦略的に知的財産を管理」すると書いているのは、この弱点を意識してのことだろう。

その意味で、カネカが薄膜シリコンとヘテロ接合の量産設備を自社で運用してきた事実は、装置の内製・改造という形で効いてくる可能性がある。ペロブスカイト層の成膜だけを外から買えばよいのか、ヘテロ接合の工程と一体で最適化しなければならないのかは、2028年度の製品化に向けた最大の実務論点になる。

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VC・投資家はこの採択をどう読むか ― 「返還条項付きの非希薄化コールオプション」

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投資家の視点でGI基金を読み解くと、これは補助金というよりストラクチャード・ファイナンスに近い。

まず金額の意味を測り直したい。今回の2テーマ合計で事業規模約128億円、支援規模約94億円。単純計算で、2社合わせた6年間の自己負担は約34億円にとどまる。カネカ単体の年間研究開発費が399億円であることを踏まえれば、1社あたりの年間持ち出しは研究開発費の1%にも満たない水準になる。米国のTandem PVがシリーズAとデットで調達した5,000万ドル(約80億円)、エネコートテクノロジーズの創業来累計調達額約87億円と比較すると、GI基金1件の採択枠は、海外スタートアップのシリーズA級の資金を、株式希薄化なしで大企業の手に渡す仕組みだと分かる。カネカの株主にとって、タンデム事業は「外れても失うものが小さく、当たれば既存のシリコン事業を丸ごと置き換える」オプションの形をしている。

ただし、無条件のオプションではない。経済産業省の研究開発・社会実装計画(2026年4月改定)は、この研究開発内容④の建て付けを【(2/3→1/2補助)+(インセンティブ1/10)】と明記している。補助率は事業開始から3年程度を目処に2/3から1/2へ逓減し、代わりに目標達成時にはインセンティブが上乗せされる。さらに同計画は、事業開始後3年を目処に生産技術開発とTRL6(最終プロトタイプ開発)の段階で事業継続判断を行うステージゲートを設けている。NEDOが「最初の3年程度の期間の上限は123.2億円」としたのは、まさにこのゲート前の想定規模を指しており、計画側の記載では研究開発内容④の予算額は「上限123.2億円」で、ステージゲート審査を通過した場合に予算額を更新すると注記されている。

そして最も投資家的な条項がクローバックだ。同計画は「取組状況が不十分な場合の国費負担額の返還額」について、返還決定時点の目標達成度を考慮し、ワーキンググループが「10%、30%、50%」の3段階で評価すると定めている。つまり最大で国費の半分を返す設計であり、企業側は無償の資金を受け取っているわけではない。採択審査の建て付けも示唆的で、NEDOが公表した委員一覧には、技術・社会実装推進委員会(委員長は早稲田大学の若尾真治教授、委員に三菱総合研究所の園山実執行役員ら)に加えて「経営者のコミットメント審査に係る書面審査員」が置かれ、東京理科大学の植田譲教授、東京大学の鈴木英之名誉教授とともに、三菱UFJ銀行サステナブルビジネス部企画開発グループの志村幸美上席調査役が名を連ねている。技術の筋の良さだけでなく、経営陣がこれを経営課題として引き受けるかを金融の目で問う設計になっている。

政府側の投資仮説も数字で開示されている。研究開発・社会実装計画は、2030年時点のアウトカムとして次世代型太陽電池全体でCO2削減効果約220万トン、経済波及効果約3,435億円を見積もり、うちタンデム型の寄与を約1,374億円と算出した。前提は、2030年のタンデム型の推計導入量を1.3GW(国内太陽電池メーカーへのヒアリング調査に基づく)、日本企業のシェアを「世界の太陽電池市場が急拡大した2010年以降のピークシェアである25%」と置くというものだ。94億円の支援に対して1,374億円の経済効果という比率は魅力的に見えるが、その分母に「過去のピークシェアの再現」という強い仮定が入っていることは押さえておきたい。

市場はまだこのオプションを価格に織り込んでいない。カネカ株が8月14日に20年ぶり高値の6,570円を付けた理由は、汎用樹脂の価格改定と医療・栄養の収益改善による第1四半期の過去最高益であって、タンデムではない。みんかぶが集計するアナリストのコンセンサス目標株価は2026年1月時点で4,717円と、現在の株価を大きく下回っており、そもそもカバレッジが厚い銘柄ではない。時価総額は約4,000億円で、通期予想ROEは6.2%。ペロブスカイト関連としてはフィルム型の積水化学が「本命」と扱われることが多く、カネカのタンデムは相対的に地味な扱いを受けている。

その積水化学が2030年度の売上想定を1,500億〜2,000億円から1,000億円へ引き下げた事実は、この分野に対する規律として読むべきだろう。記録効率を持つLONGiが量産計画を持たず、量産設備を先に建てた積水化学が計画を下方修正し、カネカは1平方メートルのモジュール2枚を市役所の敷地に置いて1年分のデータを取っている。派手さの順序と、事業としての確度の順序は一致していない。

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各紙・各機関の報じ方の差

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同じ採択でも、どの数字を見出しに置くかで印象は大きく変わる。

NEDOのプレスリリースは「予算(NEDO支援規模)153.3億円(上限額)」を本文に置き、企業名は別紙に回した。別紙2の事業概要資料には「事業規模:約128億円/支援規模:約94億円(インセンティブ額を含む。採択予定額であり、契約などの手続により変更の可能性あり)」と記されている。この二つの数字は矛盾ではなく、153.3億円が事業枠の上限、94億円が今回採択された2テーマへの見込み配分という関係にある。

スマートグリッドフォーラムは2026年2月9日に「タンデム型ペロブスカイト量産へ、政府が2社に94億円支援」と、Sustainable Japanは同年2月11日に「支援規模94億円」と、いずれも実配分額を見出しに採った。一方、日経BPのメガソーラービジネスplusは2月10日の記事で上限153.3億円と最初の3年程度の上限123.2億円を併記し、長州産業とカネカの目標の違いを整理している。日本経済新聞は2月12日、カネカが28年度にタンデム型を発売する点に軸足を置いて報じた。カネカ自身のリリースは金額に一切触れず、住宅(ZEH)・ビル(ZEB)向けの実証と40%以上への挑戦、2028年度の製品販売を前面に出している。オプトロニクスオンラインなど技術系媒体は採択の事実を淡々と伝えた。

制度側の記述にも差がある。経済産業省の研究開発・社会実装計画(2026年4月改定)は研究開発内容④の予算額を「上限123.2億円」と書き、脚注で「最初のステージゲートまでの3年程度の期間の想定規模」だと断っている。同計画はまた「成膜方法等で異なる製造プロセスを対象に3者程度の実施を想定」とも記す。応募は2件、採択は2件だったので、想定枠には1つ空きがある計算になる。計画本文には「必要に応じて追加公募を行う」との記述もあり、3社目の枠が今後開く可能性は制度上残されている。

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今後 ― いつ、何が観測できるか

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これから12か月のカレンダーは、すでにかなりの部分が埋まっている。

2026年度中には、規制面で三つの動きが予定されている。スマートグリッドフォーラムが2026年5月28日に報じたところによれば、消防庁は危険物施設におけるフィルム型の軽量性・柔軟性を損なわない新たな安全対策をガイドライン等で明確化し、経済産業省は工場立地法の面積算出で水平投影面積に加えて鉛直投影面積も認める運用を例規集・FAQに明記し、国土交通省と経済産業省は建材一体型太陽電池(BIPV)の設計基準を新設する。屋根ではなく壁面を発電体にするカネカの構想にとって、BIPVの設計基準がどう定まるかは製品仕様に直結する。

2027年3月26日には、さいたま市本庁舎でのタンデム実証が1年の区切りを迎える。ここで屋外1年分の発電量と劣化のデータが揃う。同じ2027年度からは、事業用太陽光発電(地上設置)が再エネ賦課金を用いたFIT/FIP制度の支援対象外となる方針が決定済みで、省令・告示も2026年3月末に改正済みだ。地上設置の新設案件が制度支援を失うことは、リプレース需要とオンサイト自家消費への傾斜を強める。カネカが屋根と壁を選び、長州産業が野立てのリパワリングを狙う構図は、この制度変更を織り込んだものと読める。2027年4月には積水ソーラーフィルムの堺100MWラインが稼働する予定で、国産ペロブスカイトの量産価格が初めて可視化される。

事業そのものの最大の節目は、事業開始から3年を目処に置かれたステージゲートだ。2025年度開始なので、順当なら2027年度から2028年度にかけて継続可否が判断され、補助率は2/3から1/2へ逓減する。同時期の2028年度に、カネカはタンデム型の製品販売開始を計画し、積水化学は第1ラインのフル稼働と黒字転換を見込む。国内ペロブスカイト産業にとって2028年度が最初の答え合わせの年になる。

その先の2030年度が、本丸の判定日である。1平方メートル以上のモジュールで変換効率30%以上、住宅用発電コスト12円/kWh以下、そして500MW以上の量産体制。政府側の推計では、この年のタンデム型の国内生産規模は約1.3GW、経済波及効果は約1,374億円と置かれている。2035年度に政府保有施設50〜70MW以上と東京都内約1GW、2040年度に政府保有施設100MW以上・東京都内約2GW・全国約20GWという需要側の目標が、その後ろに控える。

短期で観測すべき指標は絞り込める。カネカについては、四半期決算のPV & Energy managementに関する記述がいつ「量産技術開発を推進」から「量産設備の導入」へ変わるか、そしてタンデムの効率がセルの1平方センチメートルからモジュールの1平方メートルへどう移るかだ。業界については、GCLの日本向けタンデム出荷が実際に始まるか、LONGiが量産計画の不在という姿勢を変えるか、そしてGI基金のタンデム枠に3社目の追加公募がかかるか。いずれも、35.5%という記録の数字ではなく、1平方メートルのモジュールが屋根の上で何年もつかという、地味な問いに帰着する。


カネカ、次世代型タンデム太陽電池量産技術実証事業が、グリーンイノベーション基金事業(GI基金)に採択 - 今後 ― いつ、何が観測できるか - 図表1